ここから正念場、欧州勢に監督脱帽/今後のなでしこ

なでしこジャパン(2019年6月10日撮影)

サッカー女子W杯フランス大会は20日に1次リーグ(4チーム×6組)の全日程が終わり、決勝トーナメントに進出する16チームが出そろう。

2大会ぶりの優勝を狙う日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク7位)や前回覇者の米国(同1位)らが順当に進出を決めたほか、今大会では9チーム参加の欧州勢が強さをみせている。一発勝負のノックアウト方式を前に、今後の見どころを紹介する。

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ここからが本当の戦いだ。今大会では、FIFAランク上位16カ国中14チームが19日までに決勝トーナメント進出を決定。前回王者の米国は1次リーグ初戦でFWモーガンが5得点するなどしてタイに13-0で勝利。11年ドイツ大会決勝など日本戦でも何度も得点を決めてきた29歳のストライカーは今大会も健在だ。

欧州勢の躍進も目立つ。近年、各国が男子チームでの分析ノウハウや戦術を取り入れるなど、本気で強化に着手。今大会では、すでに参加9チーム中8チームが同トーナメント進出を決めた。スペイン女子リーグでは、今季のバルセロナ-Aマドリード戦を6万739人が観戦。女子クラブサッカーの試合の世界記録を更新するなど注目度も高まっている。高倉監督も「近年の欧州のリーグの充実さは素晴らしいものがある。皆さんも1度現地で見てみてください」と取材で語るなど、その成長を認めている。今大会では、そのスペインをはじめ、5大会ぶり出場のイタリアや、初優勝を目指す地元フランスが強さを発揮。欧州勢は今大会の成績上位3チームが20年東京五輪の出場権を得るというもうひとつの戦いもあり、イングランドのネビル監督は「今大会で成功して五輪につなげていきたい」と意気込んでいる。

優勝までの全7試合を想定すると、累積警告にも注意が必要。1次リーグから準々決勝までは累積がリセットされず、警告を2度受けると次戦出場停止。女子では初めて導入したVARによる振り返り警告も今大会多発しており、ギリギリの勝負を仕掛けながら勝ち進む必要がある。負ければ終わりの真剣勝負。進化しつつある女子サッカーの世界一を争う戦いに注目だ。【松尾幸之介】