久保建英 祈り届かず「痛み分けになってしまった」

日本対エクアドル 後半終了間際、決勝ゴールと思われたシュートはオフサイド判定となり、両手を広げ抗議する久保(撮影・河野匠)

<南米選手権(コパ・アメリカ):日本1-1エクアドル>◇1次リーグC組◇24日◇ベロオリゾンテ

【ベロオリゾンテ(ブラジル)=岡崎悠利】日本代表は1-1で引き分け、3戦合計2分け1敗で1次リーグ敗退となった。フル出場したMF久保建英(18=レアル・マドリード)は勝利を呼び込む活躍が期待されたが、数多くのチャンスを作ったものの勝ちきれず。勝てば決勝トーナメント1回戦でブラジルとの対戦が待っていたが、実現はならなかった。試合後は「最後までチャンスはあったが、痛み分けになってしまった。悔しいです」と振り返った。

後半ロスタイムにはMF中島翔哉のシュートがDFに当たってこぼれたところを右足で押し込んでネットを揺らすもオフサイド。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)による判定中は「オフサイドだとは思っていたけど、DFのクリアミスにならないかなと思ってもいた」と両手をこすりながら天を仰いで祈ったが、判定は覆らなかった。

1次リーグ敗退となったが、自信はつかんだ。「前を向いてからのドリブルとか速いテンポでのパスとかはやれた」。この日も、トップ下から得点に直結してもおかしくないパスを複数出すなど攻撃を活性化。本気の南米勢を相手にしても、十分に長所を出せることを示した。

大会中に日本人として初めて、レアル・マドリードへの加入が発表された。大会後、久保の新たな、かつて誰も経験したことのない挑戦が始まるが、「帰るまでが代表なので」と移籍については言及しなかった。

6月のキリンチャレンジ杯でA代表に初招集されてから約1カ月の活動を終え「国を背負う誇りやうれしさを感じた」と率直な感想も口にした。「また、この舞台に立てれば」。敗戦の悔しさの中でも、静かに力強い言葉を残した。