またまた決定力不足露呈、しばらく「半端ない」頼み

日本対エクアドル 後半、右足でゴールを狙う上田(撮影・河野匠)

<Nikkan eye 担当記者がサッカーを掘り下げる>

<南米選手権(コパ・アメリカ):日本1-1エクアドル>◇1次リーグC組◇24日◇ベロオリゾンテ

日刊スポーツのサッカー担当記者が独自の視点で掘り下げる「Nikkan eye」。今回は、日本代表のFWに目を向ける。南米選手権での目的の1つは、20年東京五輪に向けた強化。本番まで約1年と迫った中、ストライカーとしての期待に応えた選手は残念ながらいなかった。

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健闘したが、勝ちきれない。またも原因は決定力不足だった。大学生として9年半ぶりに招集された法大FW上田綺世、快足の松本FW前田大然を起用したが、そろって無得点。2人とも決定機がありながらゴールを決められなかった。前田は「本当に(大会に)出て良かったのかなと思うくらい、何もできなかった。申し訳ない」と口にした。

同時期に開催されたトゥーロン国際(フランス)で、南米選手権には呼ばれなかった五輪世代のU-22代表が初の決勝に進出。磐田FW小川航基は決勝で得点した。FWの争いは再び激化必至だが、そもそもメダル獲得という目標を考えれば、競争のレベルも現状では物足りない。

現段階ではオーバーエージ(OA)枠の1つは1トップに使うことが現実的だ。16年リオ五輪で浦和FW興梠慎三が選出されたように、フィニッシャーに実力と経験のある選手を入れることはセオリーでもある。そうなれば必然的にブレーメンFW大迫勇也がベストになるが、招集は難航しそうだ。また、A代表でも大黒柱である大迫とまでは言わずとも、現状で「1番手」と名を挙げられる選手が不在であることが寂しい。

今大会はMF久保を始め、中盤にはチャンスを作るだけの攻撃力があることを証明した。それだけに浮き彫りとなったストライカー不足という課題。「最後の部分。個々で常に高い意識をもってこだわってほしい」という森保監督の期待に応える存在は出てくるのか。あえて「強化の場」とした南米選手権の経験を次へとつなげたい。【岡崎悠利】