なでしこ敗因は「フィジカル」世界で挑戦を/安藤梢

日本対オランダ オランダに1-2で敗れガックリと肩を落とすなでしこジャパン(撮影・PNP)

<女子ワールドカップ(W杯)フランス大会:日本1-2オランダ>◇決勝トーナメント1回戦◇25日(日本時間26日)◇フランス・レンヌ

なでしこが1勝のみでW杯を去った。寂しすぎる。でもこれが現実だ。一番の敗因はフィジカルだ。なんで日本は弱いのか。

私は16歳の時、W杯(99年米国大会)に初出場した。技術には少し自信があったが、技術を出す前にフィジカルで押された。大人と子供の差があった。その後からスピード、パワーを養う練習に時間を費やした。09年には世界トップ選手が集まるドイツに渡った。

日本と欧州のフィジカル差は生まれ持ったものだと思っていた。週1回、ケルン大学でドイツ代表のスプリント練習に参加させてもらった。欧州の選手は元々フィジカルが優れているわけではなかった。スピードやパワーの強化メニューを日常的にこなしていた。

世界が急激に成長する中、日本が引き離されないか心配だ。今後は、フィジカルにも目を向けてほしい。守備の寄せが早くなり、球際が強くなり、苦し紛れのパスが減り、プレーに余裕が出るはず。当然、日本の特徴であるコンビネーションが威力を増すはずだ。

今回経験した若手が、どれだけそれを感じて次の大会に向けて取り組んでいけるか。世界で戦える選手になるために、ドイツ、イングランド、フランスなど、トップレベルのリーグにどんどんチャレンジして、世界を感じてほしい。(元なでしこジャパンFW)