気鋭の18歳が、驚くべきスピードで階段を駆け上がっている。FW久保建英(マジョルカ)。30日に日本サッカー協会(JFA)が発表した日本代表に名を連ねた。
6月のキリンチャレンジ杯エルサルバドル戦(仙台)でA代表デビュー。そこからの約3カ月はめまぐるしく過ぎた。試合後そのまま出場した南米選手権(ブラジル)では1次リーグ敗退も、チリ代表ら強豪国相手に出色のプレー。今回の続けての選出も順当だ。
南米選手権の期間中には、世界最高峰クラブであるレアル・マドリードへの完全移籍。日本人初、衝撃的なニュースに世界が注目した。まさに夢のステップアップを現実としてみせた。
バルセロナ下部組織から、帰国して東京の下部組織へ加入したのが15歳。当時から「東京五輪の星」として将来を有望視された。あれから約3年。五輪イヤーを迎えるより早くA代表の舞台に立った。レアル・マドリード加入は“バルセロナ復帰”をも超越したと言える。周囲の過剰な期待さえも、あっさりと上回った成長曲線。日本で過ごした時間を無駄にせず、むしろ飛躍へつなげた。
新天地が決まったばかりの選手に対しては、まずはチームになじませるために招集を見送ることもあった森保監督。ただ今回は、招集に踏み切った。森保ジャパンの最大の目的地であるW杯への道が幕を開ける、重要なタイミングだ。
今、18歳が歩む先には、東京五輪の先が見えている。22年W杯カタール大会。7月にはレアル・マドリードのトップチームの一員として、ドイツの雄バイエルン・ミュンヘン戦で実戦デビューも果たした。東京五輪をも飛び越えたW杯という言葉は、もう重圧ではない。はっきりとした目標だ。
森保ジャパン発足からの主力であるMF中島翔哉はポルトガルの名門ポルトへ、MF堂安律はオランダの強豪PSVへステップアップした。MF南野拓実との「三銃士」に加え、MF伊東純也やMF原口元気、さらに今回は招集されていないMF乾貴士、MF香川真司と、2列目はただでさえタレントぞろい。化学反応の可能性は無限大だ。そして、かつてないほどのポジション争いも不可避。チームに起きるであろう大きなうねりを力に変えて、W杯への挑戦が幕を開ける。