堂安律「やるだけ」久保建英との右MF争いに自信

パラグアイ戦に向けた練習で笑顔を見せるMF堂安(撮影・加藤諒)

日本代表が2日、茨城県内で国際親善試合パラグアイ戦(5日、カシマ)とワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼アジア杯予選の大事な初戦ミャンマー戦(10日、ヤンゴン)に向けた国内合宿をスタートさせた。

全23人中、久保建英(18=マジョルカ)ら一部の海外組を除く13人が参加。予定を1日早め、この日早朝に帰国して合流したMF堂安律(21=PSV)は同じ右MFを争うライバルとみられる18歳久保とのレギュラー争いに自信をみせた。

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激しい競争も制し、日本を上昇気流に乗せる。堂安が積極調整で森保監督にアピールした。全体練習でランニングなど約1時間の軽めのメニューをこなし、そのまま残ってMF南野らと繰り返しダッシュ。ボールを触らず切り上げる選手もいる中、DF長友らとパス交換も行い、初日の練習を終えた。

久保らも加わり、最激戦区とも言える右MFの座を守り抜く。「右サイドは今、自分が勝負する場所」と自信を持って言い切った。8月30日にフローニンゲンから名門PSVへの移籍が正式発表された。移籍交渉中でもあり同10日のトゥエンテ戦以来、実戦から離れていた。約3週間のブランク。労働許可証が間に合わず、先週末の試合に出場不可と分かると「1日でも早く(日本に)帰った方がPSVに戻った時にも(状態が)いいと思った」と監督に前倒し帰国を直談判。3日に合流予定の久保らより早く、合宿初日から積極的に体を動かした。

20歳だった昨年9月11日の国際親善試合コスタリカ戦で代表デビューし、すぐ定位置を確保。しかし、1月のアジア杯準々決勝ベトナム戦以来、ここ6戦無得点とその座は揺らぎつつある。積極的な仕掛けも空回り。3つ年下の久保らについて問われると、少し間を置き「ライバル(関係)というのは本当に今のこういう状況のこと。自分がやるだけです」と決意を込めた。

W杯予選は未経験。「また違った緊張感になる。持ち味を見失わないようにプレーしたい」。自らその価値を証明し、右サイドの主役となる。【松尾幸之介】

◆森保ジャパンの右サイド 昨年9月の初陣以降、最も採用する4-2-3-1陣形の右MFは堂安が最多の10試合で先発起用されている(3-4-2-1の右1・5列目も含めれば12試合)。3得点も最多。2位は伊東の先発3戦2発が続く。久保は堂安と伊東が不在の南米選手権でトップ下に入ったが、東京でもマジョルカでも本職は右。ここまで4試合(先発1)無得点で、現状の右では3番手から突き上げる立場だ。