日本代表10月オランダ合宿 カメルーンなどと試合

日本代表森保一監督(19年12月20日撮影) 

「ローリスク・ハイリターン」で今年初の代表活動を遂行する。日本協会の反町康治技術委員長(56)が11日、オンライン上で対応し、日本代表(FIFAランク28位)が国際サッカー連盟(FIFA)が定めた代表活動が可能な10月5~13日に欧州合宿と国際親善試合を行うと明かした。合宿地はオランダで、10月9日にカメルーン(同53位)、10月13日にコートジボワール(同61位)と国際親善試合を行う。詳細部分を詰め次第、正式発表となる。昨年12月のE-1選手権以来の代表戦に、反町技術委員長は「強化、選手の状況の把握、チームのコンセプトを植え付ける良い機会」と力を込めた。

新型コロナウイルスの感染拡大で、W杯アジア2次予選は来年3月に延期。代表活動が可能な10月と11月の国際Aマッチ期間(IMD)を生かせるかは代表の行方を大きく左右するだけに、代表活動の実現に向けて協議を開始。反町技術委員長が「しっかりした健康と安全を担保しながら活動していきたい」と言うように、新型コロナの感染リスクを最大限に抑えられるかが鍵だった。

感染状況や入国制限などを検討を重ね、国内は選択肢から外して欧州遠征を視野にいれた。国内の感染状況、欧州各国や日本からのアクセスの良さ、日本からの渡航者や日本人に入国後の行動制限を設けていないことなど、リスクを最小限にできると見込めるオランダに決めた。反町技術委員長は「オランダの国の方針やサッカー協会の方針やそういうところのハードルがあるが、それも受け入れてくれた。感謝の気持ちも持ちつつ活動していきたい」と感謝。代表スタッフらは出国当日に千葉・高円宮記念JFA夢フィールドで「スマート・アンプ法」による検査で陰性と確認してから空港へ向かうなど、ガイドラインに準じて入念な対策を講じる意向だ。

Jリーグの過密日程と帰国後の行動制限などもあるため、史上初の欧州組でのメンバー編成が濃厚だ。五輪代表も12月末のトゥーロン国際(フランス)に招待されているが、大会実施も含めて不透明。反町技術委員長は「五輪のカテゴリーというよりオールジャパンと1つのカテゴリーで見ている」と話し、ビリャレアルMF久保ら欧州所属の五輪世代も対象になる。

実戦を踏めないまま今年を終える可能性もあったが、来年のW杯予選に向けた貴重な2試合を創出した。欧州各国は同期間中にネーションズリーグを戦うためアフリカ勢との対戦となったが、ベストメンバーを編成することを伝えられているという。反町技術委員長は「大変な作業で、最初は無理だとさじを投げられてもおかしくない中、みんなで頑張ってここまでやってきた。何としても成功させたいし、後で振り返ってこの活動が有効だったなと思える活動をしたい」と意気込んだ。今後の感染状況を見守りつつ、11月9~17日のIMD期間でも欧州を中心に代表合宿と国際親善試合を行うべく調整を続ける方針。まずは10月の9日間を、最高の実りを得る時間にする。【浜本卓也】