22日のメンバー発表を待たずとも、東京五輪に出場するU-24日本代表のサバイバルはおおかた決着がついたのが見て取れた。
オーバーエージ(OA)の3人を組み込み、U-24ガーナ、ジャマイカとの国際親善試合はすでに本大会に目を向けた連係強化が主な目的となっていた。2つの試合で先発した選手はほぼ内定組と言っていい。
ポジション別に見ると、DFラインは右から酒井と吉田のOA組に冨安、中山の4人が確定。ボランチはOAの遠藤と田中。2列目は右に堂安、トップ下に久保。左サイドは三笘と相馬による先発争いだ。FWは特に2戦連発の上田。加えてGKで2試合に先発した谷で主軸がほぼ固まった。
五輪は過密日程。疲労との闘いになることからも、控え組に回る可能性が高い選手は複数ポジションをこなす器用さも、生き残るための重要なポイントだ。CBやボランチをこなすDF板倉はコンディションを考慮してジャマイカ戦はベンチ外だったが、選出は当確。またDF旗手は攻撃的ポジションまで対応でき、中山とタイプが異なる左SBとして計算できる。橋岡はCBに加えて3バックの際に右WBを得意とし、酒井と共存できる可能性をジャマイカ戦で示した。
森保監督に代わって指揮をとった横内監督は「今回の活動だけでなく過去の実績やクラブでの結果も加味する」と基準を示している。GKとFWは2人選出が見込まれ、長くこのチームに呼ばれ続け、海外勢との試合経験が豊富な大迫と前田が2番手となるだろう。
五輪は交代枠が5人と多い。より消耗が激しい前線に最後の1枠が与えられそう。FW林とMF三好による争いとなるが、2列目の人数と実績をふまえ、三好が滑り込むのではないか。
OAが入ったことで、特に守備は飛躍的に安定感が増した。強気にDFラインを上げられることで選手同士の距離感が近くなり、プレスの連動もよりスムーズになった。前線の久保らが前を向いてプレーできる回数も増加。本大会で攻撃陣がこの勢いのまま得点機をものにできれば、上位進出も見えてくる。【岡崎悠利】
【担当記者選定五輪代表メンバー】
<GK>
◆大迫敬介(21=広島、187センチ86キロ)
→実績十分。シュートストップが武器
◆谷晃生(20=湘南、190センチ84キロ)
→国際親善試合2試合先発。評価上昇
<DF>
OA吉田麻也(32=サンプドリア、189センチ87キロ)
→A代表でも主将。安定もたらす存在
OA酒井宏樹(31=浦和、183センチ70キロ)
→世界と渡り合う身体能力。クロス◎
◆旗手怜央(23=川崎F、171センチ70キロ)
→左SBから中盤、2列目もこなせる
◆冨安健洋(22=ボローニャ、187センチ84キロ)
→A代表の主力。吉田とのコンビ鉄板
<MF>
OA遠藤航(28=シュツットガルト、178センチ76キロ)
→中央でチームに芯を通す。攻守の要
◆板倉滉(24=フローニンゲン、186センチ75キロ)
→ボランチ、CBに対応。ヘッド武器
◆中山雄太(24=ズウォレ、181センチ76キロ)
→守備力に定評。左足のキック精度○
◆相馬勇紀(24=名古屋、166センチ69キロ)
→機動力満点。小柄だが球際も高強度
◆三好康児(24=アントワープ、167センチ64キロ)
→大舞台に強い。ドリブルでかき乱す
◆三笘薫(24=川崎F、178センチ71キロ)
→独特ドリブル&パス。連係強化期待
◆堂安律(22=ビーレフェルト、172センチ70キロ)
→攻撃の核。久保とあうんの呼吸あり
◆田中碧(22=川崎F、180センチ74キロ)
→視野広く走れてパス出せる万能MF
◆久保建英(20=ヘタフェ、173センチ67キロ)
→試合を決めるゴール&アシストあり
<FW>
◆前田大然(23=横浜、173センチ67キロ)
→スピード番長。つぶれ役いとわない
◆上田綺世(22=鹿島、182センチ76キロ)
→ザ・ストライカー。多彩なシュート