【考察】メンタルで負けた森保ジャパン「勝者のメンタリティー」思い出して

日本対オマーン オマーンに敗れ肩を落とす久保(撮影・横山健太)

<Nikkan eye 担当記者がサッカーを掘り下げる>

日刊スポーツのサッカー担当記者が掘り下げる「Nikkan eye」は、W杯アジア最終予選初戦で、格下オマーンに完敗した森保ジャパンを考察する。 東京五輪の準決勝(スペイン)と3位決定戦(メキシコ)で日本はスコア以上に完敗した。苦労してボールを奪っても、すぐに取り返される。中盤でボールを奪って逆襲を仕掛けようとしても、前掛かりだった相手中盤はいつの間にか、自陣に戻っている。猛暑でも日本より早く足が止まることもなかった。

この差こそが、勝者のメンタリティーだ。「我々が日本に負けるわけがない」。「こんな相手にボールを奪われてたまるか」。この意気込みは、デュエル(ボール奪取)につながるし、ボール支配率、ゴール数、最終的には勝敗に影響する。確かにスペインは強かったが、勝てない相手ではなかった。メキシコだって、やり方によっては勝てたかもしれない。

本来、日本はオマーンより強いはずだが、今回は内容でも完敗だった。ほとんどの選手が欧州組で「欧州各リーグが開幕したばかりで選手のコンディションがまだ万全ではない」との見方もある。同感だ。しかしそれは、ほんの一握りの理由で、最も重い敗因は、プライドの問題ではないか。日本は、勝者のメンタリティーがなかった。球際の攻め合いで完敗した。これはボールを奪う技術ではなく、メンタルの負けだ。体調不良で片付けられる問題でもない。

アジアサッカー連盟(AFC)が発表した公式記録によると、デュエル勝率で日本は40・5%、一方オマーンは59・5%だった。タックル数でも日本の8回に対し、相手はほぼ倍の15回も仕掛けた。シュート数も日本の9本に対して12本と負けている。これで勝てるわけがない。ボールに対する執念、必死さが足りないから、相手に太刀打ちできなかった。

日本がW杯舞台で世界の強豪相手に仕掛けるべきサッカーを、逆にオマーンに見せられてしまった。MF南野の負傷がなくても、MF守田が試合に間に合ったとしても、DF冨安が欠場していなくても、負けていたはずだ。

試合後、田嶋会長は「最終予選10試合のうちの1試合と捉え、残りの9試合でカバーしていかなければ」と話した。東京五輪1次リーグで日本に負けたメキシコが、3位決定戦で気持ちを切り替え、メダルを獲得したように、次の中国戦(7日、ドーハ)で吹っ切れることができるか。

これから9試合。大差の勝利は求めない。くれぐれも勝者のメンタリティーを思い出してほしい。まずはデュエル勝率、タックルの回数で、相手を圧倒してほしい。勝利はおのずと付いてくるはず。この積み重ねが結局は、世界と戦う時の大きな財産になるはずだから。【盧載鎭】