<ワールドカップ(W杯)アジア最終予選:中国0-1日本>◇7日◇ドーハ
日本(FIFAランキング24位)がB組第2戦で中国(同71位)に1-0で勝った。新型コロナウイルスの影響による渡航制限のため中国開催ではなく、中立地のドーハで行われた一戦で、この最終予選初勝利。2日のオマーンとの初戦に0-1で敗れ、黒星発進となった日本は前半40分にFW大迫勇也(31=神戸)のゴールで先制した。7大会連続の本大会出場に向け、初勝利で勝ち点3を手にした日本は、10月7日の第3戦でサウジアラビアとアウェーで対戦する。
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日本を救ったのは、長く最前線で引っ張る“半端ない男”大迫だった。前半40分。右サイドの伊東が1対1を仕掛けたのを見るや、加速してゴール前へ。DFを置き去りにした伊東の高速クロスに右足を投げ出して当て、“カンフーキック”のような一撃で軌道を変え、ゴール左隅へ決めた。雄たけびとともに、得点に絡んだ2人が抱き合った。試合後のDAZNでのインタビューでは、「最低限の結果は出せたかな。この勝ち点3をきっかけに、これを続けて、また厳しい戦いが待っているので、引き続き頑張っていきたい」と話した。
開始から5バックで不思議なほど、ただただ、引いて守る相手を序盤から押し込んだ。しかし、決定機を決めきれず、もどかしい時間が続いた。前半23分には久保が大迫とのパス交換で右サイドを抜け出し右足シュートを放ったが、左ポストを直撃し決めきれなかった。同38分には久保のミドルシュートをGKがはじいたところに伊東が反応。大迫につないだが、蹴り込むだけだった大迫のシュートもポストに嫌われた。これは、結果的にオフサイドの判定だったが、その2分後、エースが自ら停滞感を払拭(ふっしょく)した。
オマーン戦ではまさかの失点で黒星発進。DF吉田主将が「生命線」と語る攻守の切り替えもキレがなく、人数をかけて連続攻撃を浴びせる本来の戦いができなかった。しかしこの日はボールを失ったらすぐさま猛然とプレスをかける「即時奪回」が復活。オマーン戦ではほとんど見えなかったサイド攻撃も多用し、クロスから大迫が決めた。
負ければW杯切符獲得は危うくなり、森保監督の進退問題に発展する可能性があった。指揮官が「相手は死に物狂い。その上をいかないといけない」と口にした、いきなり訪れた正念場を乗り越えた。「本当に後がない。覚悟が必要」。そう話していた大迫のゴールでまず1勝。試合後、森保監督も「中国戦に向けていい準備をしてくれて、みんなが、チャレンジ精神でできたのが良かった。W杯出場に向けて、厳しい戦いはまだまだ続くと思いますが、今日勝ち点3取れて、1歩前進できたと思います」と話した。日本がようやくスタートを切った。【岡崎悠利】