「最大の勝ち点を」強豪連戦2勝誓う森保監督 まずは完全アウェーサウジ戦

日本協会は28日、10月のW杯カタール大会のアジア最終予選2試合に臨む日本代表25人を発表した。9月は格下オマーン相手にまさかの黒星スタート。続く中国戦で何とか勝ったが、今回はMF久保建英(20=マジョルカ)をけがで招集できなかった。9月の24人から1人増としたが、初招集はおらず、代わり映えのしない顔ぶれ。10月7日、アウェーのサウジアラビア戦は暑さに加え、3万人超の観客が入るという。コロナ禍では久々の完全アウェーが予想される。続く同12日のオーストラリアと同組の強豪との2連戦は前半戦のヤマ場。森保一監督(53)の手腕が問われる。

   ◇   ◇   ◇

ヤマ場の10月は、勝てばいいが、連敗なら地獄に突き落とされる強豪との連戦となる。9月の初戦でつまずいた森保ジャパン。W杯へ前進するか、はたまた指揮官の進退問題に発展するか--。代わり映えのしないメンバー25人を選び、視察中の欧州からオンライン会見に出席した森保監督は、目にも、口調にも力を込め「最大の勝ち点(=6)をつかみとれるように全力を尽くす」と2勝を誓った。

ただ、簡単ではない。サウジアラビア戦は完全アウェーを強いられそうだ。キックオフ時間は未定だが、ジッダの10月の平均気温は約28度と日本や欧州と比べても暑い。同時に会見した反町技術委員長によれば、スタジアムは最大収容約5万人の60%まで客を入れるという。約3万人のサポーターが押し寄せる。ただでさえ日本からの渡航は厳しい中東の大国は、伝統の白い衣装をまとった男性ばかりとなることが確実。反町氏は「全員がマスクをしているわけではなさそうだし、(応援は)日本のような手拍子ではないのでは」と相手サポーターの大声援も想定。無観客や制限下での試合が続いた日本が面食らっても、不思議はない。

9月はオマーンとの開幕戦でまさかの黒星。主力のDF長友は「あり得ない敗戦」と吐き捨てた。この大失敗について、森保監督はあらためて「クラブと代表で戦術にギャップがあり、しっかり埋められなかった」と反省点を口にした。今回も、サウジアラビア戦前は、全員そろって練習できる時間は少ないとみられ、条件は同じ。指揮官は「少しでもクリアになるように働きかけたい。(選手同士の)距離感のところは準備していきたい」と口にした。

9月は呼ばなかったDF橋岡と三好、田中の両MFら、東京五輪組を招集した。A代表での経験は浅いが「まったく心配はしていない。ここで生き残ってやるんだという、ハングリーさを出してほしい」と期待を寄せた。久保はいないが、9月に負傷離脱したMF南野は帰ってきた。心中覚悟ではないだろうが、森保監督は、その目で見定めた選手への信頼を貫き、ヤマ場に向かう。【岡崎悠利】