<過去の選考の舞台裏>
アルベルト・ザッケローニ監督が率い、大会前の時点では、史上最強の呼び声が高かったワールドカップ(W杯)ブラジル大会のメンバー発表は2014年(平26)6月12日に都内で行われた。
イタリア人指揮官は在任中、1度しか招集していなかったFW大久保嘉人をサプライズ招集した。
「ヤマグチ、ハセベ、オオクボ…」。23人のうち16人目に、名前が呼ばれたストライカーは「サプライズなら最後かと思ったけど、呼ばれるのが早かったね。正直、選ばれるとは思ってなかった」と正直な感想を口にした。
ザックジャパン招集が1度だけ。2年3カ月ぶりの代表招集が大舞台のW杯行きだった。Jリーグで圧倒的な働きを続け「得点を取り続ければ、振り向いてもらえる」とゴールでW杯行きの切符をつかみとった。点取り屋らしく、「今の代表には最後のフィニッシュで怖さがない。ゴール前のドキドキ感がない。自分が入って、ワクワクさせるようなプレーをしたい」と口にした。
一方で、貢献度の高かった細貝萌が外れた。これは、W杯でも攻撃的に戦うという、指揮官の強烈なメッセージだった。
ザッケローニ監督は「多くの攻撃的な選手を選んだ。ブラジルで攻撃的で主導権を握る戦いをするためには、このメンバーだというものを選んだ」と言い切った。そして「悩みどころはボランチ(守備的MF)を1人多く連れて行こうかと。でも、そうするとFWかDFを1人削ることになる…」と揺れた胸中を明かした。
大黒柱の守備的MF長谷部誠は故障明けだった。本番までに万全になるという見込みだが、不安が残る。その中で不動のボランチコンビ長谷部、遠藤保仁に、前年から頭角を現した山口蛍、そして青山敏弘を選出した。
長谷部の状態を考慮すれば細貝を加え、通常4人のボランチ枠を5人にする選択肢もあったが攻撃陣の数を削ることはせず万能型の青山を選び、守備型の細貝を外すという決断を下した。