【なでしこ】女子W杯「もう1度、世界一」期待はいいが…一過性で終わらせぬ準備はできているか

前日練習を終え会見に応じたなでしこジャパンのなでしこ池田監督(右)と主将の熊谷(撮影・たえ見朱実)

<We Love Soccer>

女子のFIFAワールドカップ(W杯)が、日本サッカー協会(JFA)の積極的な働きかけもあって何とかNHKで放送されることになった。11年W杯ドイツ大会の優勝で注目され、当時は日本サッカー界の誰もが「一過性で終わらせない」と口をそろえた。だが、女子サッカーの国内ブームは跡形もなく去った。前兆は何年も前からあったが、JFAの対応は鈍かった。

2年前、女子プロリーグのWEリーグがスタート。それまではプロとアマが混在するなでしこリーグが国内女子のトップで、当時から女子人気は低迷していた。試合中継はどのテレビ局も手を挙げず、近年に力を伸ばしているネット配信会社なども興味を示さなかった。仕方なく、映像制作会社に年間3000万円を払ってリーグ戦の映像を作ってもらい、YouTubeで流した。WEリーグになり、DAZNと契約を結んではいるが、得られる放映権料は事実上ゼロ円。形式上、放映権料を年間1億円程度もらっているが、ほぼ同額が制作費としてDAZNに支払われる。

WEリーグはスポンサー離れも進む。冠スポンサーのyogibo(ヨギボー)は契約延長しない可能性があり、他にもスポンサーを降りそうな企業が出てきた。現在2部相当となっているなでしこリーグは、ボール契約を結ぶモルテン社から1部こそ無償提供も、2部は使用球を購入している状況だ。

世間はもう、12年前のような温かい目で女子サッカーを見ていない。窮地を救うため、日本サッカー界は「もう1度、世界一になって…」と期待を寄せる。仮に今回のW杯で優勝して機運が高まったとしても、JFAとWEリーグに一過性で終わらせぬ準備はできているか。自問してほしい。【盧載鎭】