【日本代表】初選出の塩貝健人「サブでW杯出ようなんか思っていない」エースとして全うする覚悟

スコットランド戦に向けて始動した日本代表FW塩貝健人(撮影・佐藤成)

【ダンバートン(英国)24日=佐藤成】シンデレラボーイの運命やいかに-。26日に21歳を迎える日本代表FW塩貝健人(ウォルフスブルク)がスコットランド戦(28日、ハムデンパーク)に向けて、猛アピールを誓った。

プロ入りからわずか1年半。今回初選出で、22年の前回カタール大会時は高校生だった新星がワールドカップ(W杯)北中米大会出場への強い思い、スタメン奪取の野望まで口にした。

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文字だけ見るとビッグマウス。ギラついた若手だが、実際の受け答えでは全く異なる印象を抱かせる。純朴で、思いを丁寧に紡いだ結果、パワーワードが飛び出す。塩貝は、W杯に向けてジョーカー的役割でメンバー入りを目指すのかと問われると「いや、全然そんなことはないです」と応じた。

開幕まで2カ月半。残された時間は多くないが「ストライカーとして1番手を取りに行くのが一番だし、最初からサブでW杯に出ようなんか思っていない。自分ならできるとずっと思っている」とあくまでスタメン奪取を狙う。

ボソボソとつないだ言葉に熱がこもる。変にかわすことなく、真っすぐ正面から向き合う好青年。4年前の前回大会時は高校生。国学院久我山で全国高校選手権大会に向けて奮闘していた。「その時は自分が次のW杯に出られるなんて思っていなかった」。プロ入りから2年足らずで大舞台に手の届くところまで来た。

過去を見渡しても06年ドイツ大会の巻誠一郎、10年南アフリカ大会の矢野貴章、22年カタール大会の町野修斗ら最前線にはサプライズ選出があった。勝負の切り札として期待がかかるが、本人は日本FW最年少の21歳でのW杯出場を、エースとして全うする覚悟だ。

得意なプレーを問われると「得点です。ゴールを奪うことです」と嫌みなく即答。常連組と比べて連係面には不安があるが「パスを出してくれればそこに走って、多少きつくても、馬力は僕の武器。点を取れることができる」と頼もしい。

「3月に呼ばれなかったら終わり」と今回がラストチャンスと自覚する。4年前にドイツ、スペインを連破し、日本中に勇気を与えた先輩たちの姿は目に焼きついている。「自分が今度は夢を見せる側になれれば」。サクセスストーリーを自らの実力で引き寄せる。

 

塩貝健人(しおがい・けんと)

◆生まれ 2005年(平17)3月26日、東京都。

◆サイズ 180センチ、77キロ。

◆経歴 バディSC江東-横浜FCジュニアユース-国学院久我山-慶大-NECナイメヘン-ウォルフスブルク。慶大時代に横浜の特別指定選手になる。

◆好きな選手 桁外れの筋肉が武器のスペイン代表FWアダマ・トラオレ。

◆好きな言葉 言葉は人格が出る。

◆タイトル U-19日本代表で、24年モーリスレベロ杯得点王に輝く。慶大1年時に関東3部得点王。

◆高校時の将来の夢 サラリーマン。

◆高い決定力 今季リーグ戦の8得点は全て途中出場から。