FIFAワールドカップ(W杯)2026北中米大会で、日本代表は決勝トーナメント(T)1回戦で敗退した。DF長友佑都(39)とMF久保建英(25)を指導したトレーナーの木場克己氏が、2人へメッセージを送った。
日本初の5度目の出場を果たした長友について、木場氏は「佑都は最大限やったと思う。スタメンじゃない中で、チーム状況を考えて、自分なりの役割を果たそうとしていた」とたたえた。
1次リーグ第3戦のスウェーデン戦で、後半30分からピッチに立った。出場は1試合にとどまったが、ピッチ外では大きな役割を果たした。「W杯で長友佑都が何をできるか考えて、対応していた。本当は試合に出たい気持ちがすごくあると思うけど、裏方に回っていて、すごい人間力だと思う」と思いを明かした。
木場氏は独自の体幹バランストレーニング「KOBAトレ」を編み出し、トップアスリートを指導してきた。長友とは、J1東京の練習に参加していた明大時代から付き合いが始まった。当初は“ちくわ”のような体だったと明かす。
「当時の長友は腰痛に悩んでいて、身体の外側は発達している一方で、深部にあるインナーマッスルが十分に機能していないのが分かった。より体幹を安定させるために、ゴツゴツした身体をつくるのではなくて、よろいは残しながらインナーマッスルを鍛えて、ぶれない軸を作り上げた」
ぶれない体幹をつくり、世界のトップ選手と戦い続けてきた。年齢を重ねる中で「ガチガチと相手に当たらないで、相手の力を利用できるようになった」と近年のプレーの違いを明かした。
“教え子”が、39歳でW杯の舞台に立ち、感慨深い気持ちにもなった。改めて、長友のすごさを実感した。「専属シェフを雇って栄養を考えて、睡眠も研究している。ヨガを取り入れたり、自分の身体と向き合っている。プロサッカー選手はそこまでやらないと39歳までいけない。自己管理のスペシャリスト。佑都はそこに尽きると思う。選手としての鑑だと思う」と口にした。
日本初の決勝T1回戦突破は果たせなかった。大会後は過度に連絡を取らず、そっとしているという。
「佑都もやり切った感がある。今度、どういうふうにサッカーに携わっていくかゆっくり考えていると思う。佑都みたいな選手がもっともっと増えて、若手の選手に、長友2世、3世と、どんどん出てくれば、日本はもっと強くなるはず。佑都の持っている人間力、コンディションの調整方法とかを引き継いで、教えていってもらいたい」と期待を寄せた。
一方の久保は、初戦のオランダ戦で先発したが、左ひざを負傷して途中交代。決勝T1回戦のブラジル戦でベンチ入りしたものの、ピッチに立つことはなかった。
「タケがいたら、どうだったのかな…とは思う。悔いが残っているのは(長友よりも)タケの方。大会後に電話で話したときは、元気だった」
久保には、小4時から指導を始めた。173センチの体と向き合い、スペインリーグでも活躍するまでに成長。かつて、久保は「サイズでは勝てないし、筋トレも限界がある。でも体幹を強くして、倒れないようにするには限界がない」と語ったこともあり、体幹を武器にしてきた。
15歳の時に、ホワイトボードを前に、説明したことがある。「人の体は21歳から22歳がピークと言われるんだよ。それを維持する選手もいれば、後でもっと伸びる選手もいる。タケはまだ読めないんだよね」。それから約6年後。一般的にピークとされる21歳で22年カタールW杯に出場。そこからさらに伸びて、25歳で26年W杯にも選ばれたが、望んだ結果は得られなかった。
ただ木場氏は、4年後にさらに成長してW杯のピッチに立つ姿を想像する。
「タケは4年後に29歳で、チャンスがある。25歳から29歳になれば、体力は落ちてくる。その中で、どれだけプロサッカー選手として、対応できる体を作るか。体作りも、栄養も、この4年間がすごく大事になる。4年後にチームを代表する選手になってもらいたい。まだまだ伸びしろがあると思う」