日本サッカー協会(JFA)は17日、千葉県内の拠点でW杯北中米大会後の最初の活動となる日本代表メンバー31人を発表し、横浜F・マリノスFW谷村海那(28)が初選出された。
大学経由でアマチュアリーグのJFLからプロキャリアをスタートさせた雑草選手。本人も驚きの選出に「言葉にならない」とコメントを出した。チームは24日のウルグアイ戦(宮城)を皮切りに全4試合を行う。
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夢がかなった、そんな手あかの付いたフレーズで表現できるものではない。
谷村は、クラブを通じて出したコメントに「最初に聞いたときは、言葉にならないくらいビックリしました」と率直な感想を記した。日本代表には「入れるなんて考えたこともない」。ハッキリ口にしたのはつい2週間ほど前。現実を飲み込めないのも無理はない。
ドジャーズ大谷翔平の母校で有名な岩手・花巻東から強豪の国士舘大へ。当時のことを聞くと「全然試合にも出てなかった」と口にした。20年に当時JFLのいわきに加入。アマチュアリーグからプロキャリアをスタートさせた。チームの昇格に歩調を合わせてJ3、J2と昇格。得点力に磨きがかかり、昨夏に横浜へ加入すると今季は7試合で6得点とブレーク。初めてJ1を戦い、まだ1年での代表入りとなった。
ここまでの過程で大事にしたのが日常だ。「日々のトレーニングやプレーの細かい部分など、小さなことにこだわりながらサッカーに取り組んできました」。一番磨かれた部分はゴール前での駆け引きだ。最近も「安定して得点が取れるようになり、その自信が成長につながった」と話した。
W杯で活躍した同学年で同タイプの町田FW小川が落選しただけに、その驚きはなおさらだろう。森保監督は招集理由について「今Jリーグで一番点を取っている」とした上で、「チームの戦術の中でより多くの場面に関わりながら得点を取ることができるということ。全員攻撃、全員守備ということで考えた時にチームにフィットし、最後に点を取ってチームを勝たせてくれる」と説明した。小川の落選理由には言及しなかったが、コンディション不良ではないため、現状の比較で谷村が勝ったということだ。
泥臭さは人一倍、何より謙虚さは人の2倍だ。常々口にするのが「上には上がいる」。ポストプレーヤーとして「(前線に)1人でもボールを収められる選手はいる。もっと成長しなきゃいけない」。そんな一途な思いで道を切り開いた。
「日本代表という舞台でも、これまで自分が大切にしてきたことを変えず、自分らしくプレーしたいと思います」。踏まれても踏まれても立ち上がってきた。遠回りしてきた28歳の遅咲き男は「自分自身に恥じないプレーを」。雑草ならではの矜持(きょうじ)を胸にさらなる高みを目指す。【佐藤隆志】
◆谷村海那(たにむら・かいな)1998年(平10)3月5日生まれ、岩手県盛岡市出身。グルージャ盛岡ジュニア、大宮中、花巻東高を経て国士舘大進学。20年に当時JFLのいわきに加入し、昨夏に横浜加入。J1通算22試合12得点、百年構想リーグ18試合10得点、J2通算101試合33得点、J3通算29試合6得点。183センチ、81キロ。
◆JFL経験者の日本代表 過去にDF小池龍太(現J1鹿島)がいる。14年にJFAアカデミー福島から当時JFLの山口に加入。クラブはJ3、J2と昇格し、小池は17年にJ1柏に「個人昇格」を果たした。J1横浜時代の22年7月に東アジアE-1選手権で日本代表に28歳で初めて選ばれ、国際Aマッチ2試合に出場した。