日本代表DF長友佑都(28=インテルミラノ)は危機感を募らせ、足元を見つめ直した。一時帰国していた27日、イタリアへ向けた出発を前に「アジアで勝てないなら、世界ではもちろん勝てなくなる。これからまたW杯アジア予選が始まるけど、強い覚悟を持ってやらないとW杯出場も危うくなる。W杯に出て当たり前ではなくなる。危機感持ってます」と、訴えかけるように話した。

 世界と戦い勝つことを目指し、ブラジルW杯で壁に直面した。再びロシアに向けて歩み始め、アジア杯連覇を足がかりにしようとした。しかし、そのアジアでさえ、5大会19年ぶりに準々決勝で敗れるという現実。「先のことに理想や目標を考えてはいる。でも『今』が一番大事。インテルでも日本代表に対しても、足元を見つめてやらないといけない」。かつてMF本田とともに言い続けていた「世界一」を目指す前にやるべきことはある。

 敗れたUAE戦では延長前半に体が悲鳴を上げた。「体がキレて状態がよかった。そういうときこそ無理が利いてしまう」。90分間、左サイドを何度も駆け上がり、延長に入ると右太もも裏に痛み。実質10人での戦いを強いられ、負けた。「チームに迷惑をかけた。チームメートにも代表にも返さないと。今やるべきことをやる。そうすればおのずとW杯への道は開いていく」。

 90分で決着がつかなければ、120分間戦える力を、苦しいときにチームを救える力をつける。地道な道のりにしっかりと足を付け再出発する。【栗田成芳】