Jリーグは20日、東京・JFAハウスで会見し、17年からの放送権について、スポーツのデジタルコンテンツ事業を展開するパフォーム・グループ(本社英国)と10年、2100億円超の契約を結んだと発表した。当初、5年総額500億円とみられたが、最終的に期間は2倍の10年、放送権料についてもJリーグが中継制作を請け負うことで1年210億円超、日本のスポーツ界では類を見ない超大型契約となった。

 Jリーグが10年2100億円超の放送権契約を結んだ。現行のスカパーJSATなどとの年間約50億円から、1年単位の比較でも4倍超。Jリーグによると日本のスポーツ放送権料で過去最高額となる。

 Jリーグとパフォーム(以下P社)が最初にコンタクトを取ったのは昨年12月。P社日本法人の役員と電通の役員、Jリーグ子会社のメディアプロモーションの役員が仕掛け、Jリーグに打診した。同時期、あるルートからソフトバンクも接触してきた。今季まで契約しているスカパー!の年間契約料は31億円。その金額が基準となり、当初は50億円前後の攻防が展開された。だが2社が競合したことで値段がつり上がる。今春、電通などの働きかけでP社、NTT、スカパー!との3社タッグが結成され、大台の100億円のオファーがJリーグに届く。そして5月ソフトバンクが下りた。

 5月からはJリーグと3社の交渉が始まった。今度は100億円×5年契約が基準となった。Jリーグの交渉窓口は中西大介常務。ただ同常務に決定権がなく、交渉しては結果を持ち帰って村井チェアマンに報告。さらに同チェアマンからの意向を持って3社と交渉した。その繰り返しで、当初は6月中の発表予定がどんどんずれ込んだ。さらにスカパー!オンデマンドとNTTのdTVが、競合している関係上、最終的にスカパー!が外れた。

 Jリーグの試合を流すには、映像作成や配信など、映像の質により年間50億~100億円の費用が発生する。Jリーグは映像配信をP社に一任することを条件に、年間210億円×10年という日本史上最大の放送権料契約を取り付けた。映像作成の持ち出し分100億円を差し引いても、年間100億円を超える利益を得ることになった。(金額は推定)【盧載鎭】