24歳以上のオーバーエージ枠でリオデジャネイロ五輪に出場したDF藤春広輝(27)が16日、G大阪の練習に合流した。炎天下の大阪・万博練習場でみっちり汗を流し、練習後には集まった約800人のサポーター全員にサインをした。

 1次リーグ第2戦のコロンビア戦(日本時間8日)で、まさかのオウンゴール(OG)。約1カ月ぶりにチームに合流するなり、元日本代表MF遠藤保仁から「ナイスゴール!」といじられたという。

 藤春は「気を使われるよりは、いじってもらった方がいい。みんなに、いじられました」と苦笑。さらに「(長谷川)監督からは『お土産はないんか?』と言われました。お土産を考える余裕もなかった。なので『お土産は成長した姿です』と言いました」と明かした。

 傷心の藤春を救ってくれたのが、五輪代表の秋葉忠宏コーチだったという。同コーチは、日本がブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こした96年アトランタ五輪に出場。第2戦のナイジェリア戦でOGをしている。20年の歳月を経て、同じ大舞台でOGをしてしまった後輩を気遣うように「大声で『おい、オレもOGをしたから、気にするなよ!』と言ってくれた。『落ち込むのは今日だけだ』って。それで助けられました」としみじみと語った。

 藤春は「国を背負って戦う覚悟と、味わったことのない辛さがありました。今までサッカーをやってきた中で1番、どん底まで落ちた。これ以上のどん底はない。これからははい上がるしかないです」と真剣な表情で話した。