北海道コンサドーレ札幌は開幕戦で昨季年間12位のベガルタ仙台に0-1で敗れた。相手の素早い攻守の切り替えに苦しんだ。守る時間が長くなり、試合終了残り6分、GKク・ソンユン(22)が捕りきれず前へ落としたボールを、ゴール左に押し込まれて失点。5季ぶりのJ1は、黒星スタートとなった。今日26日からの熊本ミニ合宿で再調整し、3月4日の次節横浜F・マリノス戦の勝ち点につなげる。

 試合終了のホイッスルが響くと、主将のMF宮沢は、ピッチ上に仰向けに倒れた。後半39分まで0-0が続いた守り合い。仙台の素早い攻守の切り替えに苦しめられ、なかなか決定的な場面を作れなかった。「ルーズボールへの相手の反応が早かった。J2なら守りきれていたが、J1ではやられてしまう」。5季ぶりに立つJ1の舞台は、やはり昨季までとは違う。試合終了残り6分で、引き分けでの勝ち点1にも届かなかった。

 今季から本格的に導入した3ボランチで、試合に臨んだ。相手の堅守速攻に劣らない守りで我慢比べに持ち込んだが、いかんせん、攻め手がない。DF横山は「ただ、クリアで終わらせるのではなく、もっと次のプレーにつなげていかないといけない」と反省点を口にした。

 明るい材料もあった。前半20分すぎ、ゴール前のピンチで、味方のDF菊地と激しく激突しながらヘディングでクリアしたMF石井は「キャンプでは練習試合でもかみ合わないことが多く、不安の中で迎えた試合だったけど、今日は球際の部分や連係も取れていて、チャンスがまったくなかったわけじゃなかった」と、前を向く。チームとして1シーズンを戦う手応えを、確かに感じていた。

 今日26日からは再び熊本で合宿を行い、次節の横浜戦へ挑む。「守備でも崩れることがなかったし、チャンスの芽を作ることはできた。選手は全力を尽くしてくれた」とねぎらった四方田監督は、「またトレーニングで自分たちの力を高めていきたい」と、1週間後の未来を見つめた。【中島宙恵】