水戸ホーリーホックの長谷部茂利監督(46)は、01年から03年までプレーして現役を引退し、16年から17年まではコーチ、監督代行まで務めた古巣ジェフユナイテッド千葉と、スコアレスドローで試合を終えたことを前向きに捉えた。

 「(ロスタイムを含めた)97分間、ずっと攻められた、猛攻をしのいでいた印象。最後の80分過ぎあたりから何回かチャンスがあり、あわよくば1点…勝ち点3を取れればというプラン通りの流れだったが…よくしのいで守った感じ」と振り返った。

 千葉のファン・エスナイデル監督(44)の下で1年間、コーチを務めただけに、千葉のサッカーは熟知していた。「昨年、籍を置いていたのでサッカーの内容や、どのくらおプレーできるかは分かる。逆算してして、今日のようなプレーになるのは読めていた。千葉は、ボールをつなぐことに関してはGK含めDFラインから上手。ルーズボール、五分五分のボールになった時こそ、我々がボールを奪えると思っていた。前半は奪えなかったことが多かったですが、後半は選手達が自分たちでボールを取ることが多くなりチャンスを作ることが出来たと思う」と、苦戦も終盤の逆襲も計算通りであったことを強調した。

 3-0で快勝した2月25日のモンテディオ山形との開幕戦に続き、2試合連続で失点を許さずにゲームを終えた。DF闘莉王(現京都サンガ)を擁し、開幕3連勝で首位に立った03年を思わせる好スタートだが、長谷部監督は「(チーム立ち上げの)1月8日から継続して攻撃の時にも守備、守備の時にも攻撃と、トレーニングにエッセンスを織り込んでいる。少しずつ出来るようになり、選手が実践できているのはうれしいことですが、まだ2試合。続いていくようにやっていきたい」と手応えを口にしつつも、冷静に現状を見詰めた。

 かつての“上司”エスナイデル監督が前半のロスタイムが1分では短いと激怒し、ペットボトルをピッチに投げ付けて退席処分となったことに乗じて攻めようと考えたのか聞かれると「まず、なぜ退席したのか全く知らずに、どうしたんだろうと感じていた。そこに対して、我々がどうこうするということではなく、自分たちが遂行しようとしたことをやっていく。時間も時間だった(後半45分間があった)ので、そこに対するアプローチは特にないです」と、特に采配に影響はなかったと口にした。【村上幸将】