元ヴェルディ川崎(現J2東京ヴェルディ)GKで、4月に末期の胃がんを公表し、闘病中の藤川孝幸氏の闘病を激励する「藤川孝幸激励マッチ」が27日、東京・味の素スタジアム開催されるJ2東京V対愛媛FC戦の前座で開催された。

 藤川氏は現在、北海道サッカーリーグ所属の社会人チーム「北海道十勝スカイアース」社長を務めるが、4月18日に北海道帯広市内で行った新体制発表会で、ステージ4以上の末期の胃がんだと公表していた。この日は古巣の東京Vでともにプレーしたラモス瑠偉氏、武田修宏氏、永井秀樹氏、加藤久氏ら関係者を含む約40人が、藤川氏の復活を願い、ピッチで汗を流した。

 藤川氏は試合後、ラモス氏ら出場した盟友、後輩らを出迎え、握手し、抱擁した。「昨年末で、胃がんだけで4・5センチあって、リンパも8センチ、それ以外の7カ所も3センチくらいのガンがあって、医師からは『(ガンが)内臓を圧迫して、どうしようもない状態で余命3カ月。緩和病棟で緩和治療してくれ。抗がん剤治療も手術も何も出来ないから、痛みだけ止めてくれ』くらいのことを言われた」と語り、末期の胃がんを含め、全身にがんが9カ所あると改めて説明した。

 この日、古巣のヴェルディのピッチで、仲間が戦っている姿は、何よりの励みになったという。「何とかここまで、半分くらいまではいかないけれど、かなり良くなってきている。ヴェルディは自分の命、全てなので、ここの読売クラブ、ヴェルディのOB,チームメートがいないと僕はない。何とか奇跡を起こして、みんなに恩返ししたいと思っています」と力を込めた。

 試合に出場した都並敏史氏(56)は「藤川は中学校から知っている。メンタルが弱いヤツが、極真空手をやって精神的にものすごく強くなった。とにかく面倒見が良く『困ったら。藤川』というヤツだった。だから、こんなにみんなが集まる。人徳ですよ。『復活して欲しい』という念が大事だと言っていたので、こういう形になったと思う。気持ちが伝わったと思うし、ファンが動いてくれたのがうれしかった。本当に完治して欲しい」とエールを送った。【村上幸将】