J2モンテディオ山形がホームで東京ヴェルディに2-1で競り勝った。FWフェリペ・アウベス(28)が今季初の1試合2ゴール。第27節終了時点での順位は山形の11位に対し、東京Vは4位だったが、上位相手にも冷静にプレー。今季最多となる1万3609人のサポーターに2戦ぶりの勝利を届けた。順位は9位に浮上し、勝ち点差5でJ1昇格プレーオフ出場圏内(3~6位)を視界に入れた。

 序盤から均衡した展開に、得点機が訪れた。前半39分にペナルティーエリア手前でファウルを奪い、FKを獲得。MF三鬼海(25)の蹴った球が相手DFに当たってコースが変わった瞬間、反応したアウベスがヘディングでゴールネットを揺らした。さらに後半2分、またも三鬼のCKが相手DFに当たり、ゴール前に転がったこぼれ球をアウベスが流し込んで2点目を奪った。アウベスは「2本とも絶対にこぼれ球が来ると信じて待っていた。イメージ通りのシュートができた」と胸を張った。三鬼も「味方に合わせようと蹴ったらフェリペが2本も決めてくれた。素晴らしい嗅覚」と喜んだ。

 この日はアウベスの家族も会場に応援に訪れていた。「自分が先発出場した試合を家族に見てもらったのは初めて。5歳の娘にゴールを届けられてうれしい」と笑顔。木山隆之監督(46)は「攻撃が小康状態だったので、(アウベスが)カンフル剤になってくれればと思っていたが、よく結果を出してくれた」と称賛した。【神稔典】