福岡は負けられない上位対決で3戦ぶりとなる痛恨の完封負けを喫し、6位に後退した。前節大分戦では後半ロスタイムの劇的ゴールで勝利を飾り、その勢いはあったかに思えた。

だが均衡が破れたのは、0-0の後半ロスタイム1分、松本の直接FKだった。松本FWジネイ(34)のヘディングシュートが浮き球となり、福岡GK囲謙太朗(27)も届かないゴール右隅に吸い込まれた。これには元日本代表DFの井原正巳監督(50)も「選手の配置も問題なく、あの距離のセットプレーからは普通、想定できないゴールだった」とガックリだ。

試合を有利に進めながら再三ビッグチャンスを外したのことも敗因。試合後、選手に対し指揮官は「勝ちきれなかったことは自分たちに力がないこと」と指摘。決定力不足に「精度や質はまだまだ我々に足りないもの」と反省した。

またしても警戒していたセットプレーから屈した。井原監督は戦前「松本はセットプレーが多彩。勝負どころで先に失点しないようにしたい」と、前回のCK失点を踏まえて選手にもミーティングで課題を落とし込んでいた。前線からの速いプレスなどに光明を見いだしたが、効果的なロングボールなどでかわされ空いたスペースを攻められた。

これで対松本は、J2通算1勝3分け6敗となった。この日は失点直後、たまらず昨季松本戦で1得点しているMF山瀬功治(36)を投入して打開を図った。だが苦手松本に今季2連敗だ。福岡は、昨季も第32節で黒星を喫すなど終盤の失速でJ1昇格を逃した苦い経験がある。下を向いている暇はない。次は中3日で12日横浜FC戦。連敗は許されない。