元日本代表監督の岡田武史氏(62)がオーナーを務めるJFLのFC今治が18日、J3昇格を逃した。ホーム夢スタで行われた今季最終節でホンダロックと1-1で引き分け、昇格要件の年間4位に勝ち点3及ばず、5位に終わった。

前々節まで6連勝で4位に浮上も、前節の敗戦で再び5位に後退。岡田氏は「前節の結果がすべて」と悔やみつつ、ほぼ満員4805人の前で「約束を果たせず申し訳ない。来年こそ何としても昇格します」と謝った。

今夏、吉武前監督(元U-17代表監督)を「心を鬼にして」(岡田氏)事実上の解任。一軒家で同居していた盟友を切り、コーチから36歳の工藤監督を昇格させた。直後は3連敗だったが、岡田氏が97年に加茂監督更迭を受けて41歳で代表監督になった姿と重ねた。「あの時、監督経験のない自分に何も言わず任せた長沼会長、大仁強化委員長の度胸がすごかった。自分も口は出さない」。その後6連勝。最終2戦こそ失速したが「若さが出ただけで全責任は自分にある。辞めたらクラブがつぶれるので辞めはしないが、報酬は返上する」。もう後がないJFL3季目へ、身を削って経営安定を図る。【木下淳】