ジュビロ磐田のルクセンブルク代表FWロドリゲス(23)がJ1での「令和助っ人1号」を決め、歴史的勝利をもたらした。

3連敗で迎えたアウェーの浦和レッズ戦に1・5列目のシャドーFWとして先発。0-0の後半ロスタイムに、その時が来た。敵陣内で相手のパスミスに反応し、一気に加速。一瞬の隙を逃さずボール奪うと、最後は相手GKとの1対1を冷静に右足で決めた。

午後3時54分57秒。終了間際に流し込んだ値千金の決勝点で、チームは4戦ぶりの勝利をつかんだ。ほしかった今季2勝目。助っ人の喜びも爆発した。「自分の力だけではない。みんなで奪った決勝ゴール」と、駆け寄る仲間と笑顔でハイタッチを繰り返した。

1993年(平5)5月15日にJリーグが開幕、川崎(現J2東京V)FWマイヤー(オランダ)のゴールが歴史的第1号だった。当時は18の国籍の選手が在籍していたが、19年(平31)までに計76カ国となった。ロドリゲスも初となるルクセンブルク国籍の選手として今季加入。アジア枠や業務提携国枠など多国籍化が進み、出場枠も今季は5人に拡大している。

25年間で助っ人の形も変化を続けてきたJリーグ。新時代の幕開けにふさわしい新たな国籍選手の一撃で、チームもJ2自動降格圏から脱出。ロドリゲスは「今日は勝ったけど、次の試合はすぐに迫っている。最善の準備をして勝ちたい」と12日のアウェーの東京戦に向け、頼もしい言葉を並べた。令和初戦に新たな歴史を刻んだストライカーとともに、磐田が反撃ののろしを上げた。【前田和哉】