J2アルビレックス新潟は愛媛FCに2-3で逆転負けした。前半2-0のリードを守れず、後半開始10分間に追いつかれ、後半37分にMF田中裕人(29)のヘッドで突き放された。

前半33分にMF渡辺新太(23)が決めた先制ヘッドが、新潟にとってのJ2通算400得点のメモリアルゴールだったが、勝利に結びつかなかった。長崎戦に次ぐ2-3でリーグ2連敗になった。

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新潟の選手たちが全身にブーイングを浴びた。厳しい顔をつくりながら、真正面からサポーターの声を受け止めた。今季初先発のMF小川佳純(34)は「(ブーイングされて)当たり前の結果と内容」と言った。今季初ゴールでJ2通算400点目の記念ゴールを頭で突き刺したMF渡辺新も「当然の声。お客さんはお金を払って見に来てくれている。こっちはプロ。情けないし、申し訳ない」と話した。2-0の前半から、後半に3点を失った。アウェー長崎戦に続いて2-3、大量失点の2連敗になった。 「相手の変化に対応しよう。立ち上がりの15分の入り方を間違えないこと」。ハーフタイムに吉永一明監督(51)から、こんな指示を受けて後半に入った。愛媛はFW吉田真紀人(26)とMF山瀬功治(37)の攻撃的な選手を投入して一気にギアを上げてきた。前線からプレスをかけ、勝負をかけてきた。そんな重圧を、分かっていながら耐え切れなかった。後半開始3分と9分に立て続けに失点し、2点の貯金を吐き出した。「相手がギアを上げてきたのに、こっちは前半と同じリズムで入ってしまった」とは、2得点目を挙げたDF大武峻(26)。MF小川は「分かっているのにやれない、ということはチームが幼い」と言った。 前後半の立ち上がりに失点するチームのウイークポイントは改善されていなかった。「結果に関しては、私に責任がある」と話した吉永監督は「これは我々がやったこと。我々しか状況を変えることはできないこと」と状況打破へ意欲を見せた。MF渡辺新も「守備から攻撃につなげる、という原点に戻る」。次のアウェー琉球戦で課題をクリアしたかどうかが、試される。【涌井幹雄】