清水エスパルスが、公式戦の静岡ダービーで4連勝を飾った。ジュビロ磐田戦の後半17分、プロ2年目のMF高橋大悟(20)が初得点して先制。同32分にもオウンゴールで加点し、2-0で快勝した。今月12日の前監督退任後、コーチから昇格した篠田善之監督(47)は、就任後の公式戦2戦目で初勝利を挙げた。

清水が粘り強い守備から攻撃のリズムを作った。前半序盤はリスクを冒さず、ゴール前でブロックを形勢。ボールを奪うと、シンプルに相手の背後を狙う攻撃を徹底した。篠田監督は「全体をコンパクトにして、奪ってから速い攻撃をしたい」。狙い通りの展開に持ち込むと、徐々に相手を押し込んだ。

同34分、DFエウシーニョ(29)のスルーパスを受けたMF高橋がゴール前で反転。得意の左足でゴールを狙った。シュートはGKの正面だったが、決定機を演出。同36分にはユース出身のMF西沢健太(22)が右足ミドル。既に1次リーグ敗退が決まっている“消化試合”だが、勝負に徹する姿勢を見せた。

「失敗を恐れるな。自信を持っていこう」。指揮官はハーフタイムに選手を鼓舞して送り出すと、待望の瞬間が訪れた。後半17分、MF西沢が放ったシュートがクロスバーに直撃。跳ね返ったボールをMF高橋が右足ダイレクトで押し込み、プロ初ゴールを決めた。

同32分には途中出場のMF中村慶太(25)が鋭い突破からオウンゴールを誘発。勝負を決定づけた。篠田監督は、同44分に2種登録でメンバー入りしたユースのFW川本梨誉(りよ、17)を投入。最後に大胆な采配を見せ、就任後初勝利を飾った。宿敵磐田には、昨季のリーグ戦を含めて公式戦4連勝。次戦は25日にホームにベガルタ仙台を迎える。最下位からの巻き返しを狙うリーグ戦に弾みをつける1勝を挙げた。【神谷亮磨】