北海道コンサドーレ札幌はガンバ大阪とスコアレスドローで、勝ち点1を分け合った。

就任2年目で初めて3戦連続無得点となったミハイロ・ペトロビッチ監督(61)だが、MFルーカス・フェルナンデス(25)をリーグ戦で初めてスタートから右シャドー(1・5列目)で起用し、FW鈴木、MFチャナティップとのコンビネーションにも手応え。故障離脱していたFWジェイも73日ぶりに復帰し、次節6月1日ホーム広島戦での4試合ぶり勝利への希望につなげた。

札幌を率いて初めて、3戦続けてゴールネットを揺らすことができなかったペトロビッチ監督だが、試合後は前向きな言葉を並べた。「得点になってもおかしくないチャンスを作れている。そこが大事。得点は水物でゴールに嫌われることもある。それもサッカー」と納得した。

リーグ戦では初めて、MFルーカスを右シャドーで先発起用した。FW鈴木、MFチャナティップとの攻撃は、持ち味であるドリブル突破が生かされ、再三ゴールに迫った。

前半16分には、ルーカスからペナルティーエリア内の鈴木→ルーカス→チャナティップと流れるようなパスワークで絶好機も作り出した。鈴木は「得点できなかったのはもったいない」としながらも、「良い攻撃をしている自信はある」と手応えを口にした。両チームともにボールをよく動かし、攻め合う中でも、G大阪のシュート7本に対し、札幌は12本。見せ場は多く、送り出した指揮官も「(ルーカスが)良さを出してくれると感じたから」と話した。

決定力不足解消の新たな希望もある。ジェイが3月13日ルヴァン杯長崎戦で負傷して以来、久しぶりにピッチに帰ってきた。後半38分から投入され、トップの位置でプレー。「時間が短かったから、もっともっとやりたい」と話したが、鈴木、チャナティップのシャドー2人との攻撃も相手には脅威になる。治療でブラジルに帰国していたロペスも26日に再来日予定。復帰は先だが、攻撃陣は再びそろいつつある。バリエーションも増えている。チームに足りないのは、あとは得点と勝利だけだ。【保坂果那】

◆札幌のリーグ戦3戦連続無得点 スコアレスドローだった5月12日松本戦、0-2で敗れた同18日東京戦に続き、この日で3試合連続ノーゴール。ペトロビッチ体制となってからは初めてのこと。昨季は2試合連続無得点が7月、9月に2度あったが、最初はFW都倉(現C大阪)、2度目も都倉とMF三好(現横浜M)のゴールで無得点はストップしている。クラブとしては、17年第11節から第13節まで0封負けを喫して以来、2年ぶり。