首位FC東京が、リーグ開幕13戦目にして今季初黒星を喫した。

セレッソ大阪に0-1で敗れた。日本代表活動による中断前最後となる次節ホームでの大分トリニータ戦で、仕切り直す。

今季の好調を支えていたアグレッシブさが、この日は影を潜めた。FWディエゴ・オリベイラ、FW永井謙佑の2トップら前線の選手が強烈なプレスに走る回数が減り、持ち味が消えた。

終盤は複数の選手が、足がもつれるように転ぶ場面もあった。失点は、4月14日の第7節鹿島戦以来。DF森重真人は「防げた失点」と責任を背負うように振り返った。長谷川監督は試合後「負けて悔しい」と第一声。「最後まで足が動かなかった」と腕を組んで話した

好機はあった。DF室屋成とMF久保建英の連係で右サイドを崩すも、室屋のクロスをMF東慶悟が決めきれず。後半ロスタイムにはディエゴ・オリベイラがGKとの1対1を止められた。指揮官は「今日はどちらが1本決めるかという試合。そこで決めきれなかった。まだまだ」と悔しそうに話した。

持ち前の運動量が発揮されなかった要因を聞かれた長谷川監督は「理由は1つではない」とした。まずは「予想していた以上」という暑さ。最高気温は約32度まで上がり、消耗を強いられた。次に過密な試合日程もある。チームは22日にルヴァン杯でアウェー鳥栖戦をこなしたばかり。中2日で連続の敵地だった。この日の先発のうち7人は遠征に同行しなかったものの、人数がそろわず通常通りの練習ができなかった。指揮官は問いかけに「考えられるとするなら」と前置きするなど言い訳にしなかったが、コンディションの調整が簡単ではなかったことは事実とした。

とはいえ、すでに勝ち点30を積み上げている。室屋が「いつかは負ける。これで沈むことがないように」と切り替えたように、焦りは無用だ。昨季失速を経験した夏がやってくる。去年とはひと味違う姿を、ここから見せる。

【岡崎悠利】