横浜FCがFW草野侑己(23)の2戦連続のロスタイム逆転弾でツエーゲン金沢を下し、暫定でJ1自動昇格圏内の2位に浮上した。FWカズ(三浦知良、52)は前節柏戦に続きベンチ入り。出番はなかったが、先発メンバーや途中出場の選手を鼓舞し、チームの勝利に貢献した。

カズは13日に、ラグビーのW杯で日本代表がスコットランド代表を下し初の8強進出を決めた試合を生観戦していた。「ゴールに向かっていく推進力。全員で勝利に向かっていく力。そういうのを吸収できましたし、その勝利の中にいれて、今日も、ベンチの選手にも自分の声かけも変わってきますよね。自分たちを最後まで信じる力を教えてもらったと思いますし、今日もみんなに伝えてました」。

カズは1-2で迎えたハーフタイム、ベンチメンバーのウオーミングアップ前「ラグビーのW杯を見ていてもそうだし、こういう試合はベンチのメンバーが決めることが大事になってくる」と声をかけたという。後半23分に投入された草野も、カズの言葉を胸に「自分が決める」と誓ってピッチに入った。草野は後半36分にMFレアンドロ・ドミンゲスのシュートのこぼれ球を押し込み同点弾を決めると、後半ロスタイムに、自ら獲得したPKを右足でネットを揺らし、チームを劇的勝利に導いた。

大卒1年目の草野は、PKを獲得した際、自らキッカーに立候補した。チームの勝敗を決める大役だが「PKは得意なんですよ。自分で取ったしいったろうと」。相手GKのタイミングを外す緩いシュートでネットを揺らした。「けがで離脱して、復帰したら自分がヒーローになると思ってやっていた。残り6試合、全部ヒーローになれれば」と得点量産に意欲を見せた。

2試合連続の劇的勝利に、カズは「しびれる試合が続いていいですね。昇格争いの中で先週も層ですけど今日も劇的で。後から入った選手が結果出していいことだと思います。1試合1試合勝っていきたいですね」。ラグビー日本代表同様、チーム一丸でつかんだ大きな逆転勝利だった。