ホンダFCはJ1鹿島アントラーズと対戦。前半を0-0で折り返すが、後半20分、鹿島FW土居聖真(27)に決められ0-1。鹿島を上回る14本のシュートを放つも、最後までゴールは挙げることはできず、28年ぶりのベスト4は夢と消えた。

ホンダFCが、J1首位の鹿島に真っ向から挑んだ。戦前、井幡博康監督(45)は「よそ行きのサッカーでは、いい試合はできても勝てない。普段やってることをやる」と宣言。その言葉通り、攻守で積極的に仕掛けた。ゴール前で守備を固めることなく、連動した守備でボールを奪いにいく。攻撃も、丁寧にパスをつないで展開。「ホンダ」のサッカーを展開した。

1-6で大敗した前回大会のリベンジを胸に挑んだ。20日にアウェーで行われたJFLのヴィアティン三重戦では、指揮官が先発8人を入れ替えて主力を温存。中2日で迎える雪辱戦に備え、万全の状態を整えた。序盤こそ押し込まれたが、徐々に反撃。FW遠野大弥(20)が前半27、33分にミドルを放つなど、果敢に相手ゴールを狙った。得点こそ奪えなかったものの、前半を終えて0-0。互角の展開に持ち込んだ。

だが、勝負どころでは鹿島が上手だった。後半20分。クロスへの対応が一瞬遅れ、先制点を失った。同22分。ホンダも決定機をつくったが、MF佐々木俊輝(25)のシュートはゴールの枠をわずかに外れる。同38分にも再び佐々木が左クロスを頭で捉えたが、今度はポストに嫌われた。

その後も再三のチャンスを仕留めきれずに、試合終了。「ゴール前の差」が重くのしかかった。J1北海道コンサドーレ札幌、J2徳島ヴォルティス、J1浦和レッズを撃破とここまで見せた快進撃もストップ。07年の準々決勝でも苦杯を飲まされた難敵にリベンジを果たせず、28年ぶりの4強にはあと1歩届かなかった。【前田和哉】