アスルクラロ沼津は、今季限りで退任する吉田謙監督(49)のラストゲームを勝利で飾れなかった。カターレ富山に0-3で完敗。

後半21分にCKから先制点を献上し、逆転を狙い攻勢に出たが、逆にカウンターで追加点を奪われた。吉田監督は「選手たちの努力を勝ちにつなげられなかったのは、自分の力不足」と責任を負った。

指揮官は就任5年目。2016年(平28)にJFLで3位となり、J3昇格に導いた。参入1年目の一昨年は最終節まで優勝を争い、3位。昨年は4位で、J3リーグ優秀監督賞を受賞した。しかし今季は12位と苦しみ、先月27日に退任が発表された。試合後の会見で「大好きなクラブで監督ができて幸せだった。『東部地域にJクラブを絶対作る』との思いでやってきた。今後もアスルクラロ沼津をよろしくお願いします」とあいさつした。渡辺隆司社長は「寡黙だが、信頼に値する監督。夢を見させてもらった」と話した。

走力を生かしたスタイルを植え付け、昨年までは好成績を残した。試合後はシーズン終了セレモニーを実施。足を運んだサポーターからは、吉田監督へ多くの感謝の声が飛んだ。来季は新監督の下、再スタートを切る。【古地真隆】