J3ヴァンラーレ八戸を指揮する中口雅史新監督(47)の就任会見とチーム初練習が15日、八戸市内で行われた。八戸は目標のJ2昇格に向け、攻守一体の全員サッカーで快進撃を狙う。

中口監督は「蹴道即人道」を座右の銘に掲げる。言葉には「サッカーも私生活もバランス良くしっかりやらないといけない」という信念が込められており、チームを春夏6度の甲子園制覇に導いたPL学園野球部元監督中村順司氏(73)の「球道即人道」の座右の銘にあやかった。

02年から指導者人生をスタート。主にJFLの舞台でキャリアを積み上げてきた。「常に選手ファースト。選手たちが躍動するチーム作りを常に考えてきた」。下平賢吾強化部長は「JFLで戦って、中口さんのチームの作り方とヴァンラーレ八戸の色が合うと思った。(監督は)中口さんしかいない」とオファー。中口監督も「全員で一体を目指すカラーは自分に合っている。個人としても成長できる場所だと思った」と目指す方向が一致、監督就任が実現した。

J3参入1年目の昨季は18チーム中10位(14勝6分け14敗)の勝率5割でシーズンを終えた。約2時間の初練習を行ったDF須藤貴郁(28)は「(昨季は)悔しい結果に終わったので、新しい選手、監督とともにJ3の上位に食い込みたい」と決意を新たにした。約2カ月間のキャンプでチームの一体感を高め、3月14日の開幕、アウェー、ロアッソ熊本戦に臨む。【相沢孔志】

◆中口雅史(なかぐち・まさふみ)1972年(昭47)4月10日生まれ、徳島県出身。国見(長崎)で90年度の全国高校サッカー選手権優勝。大商大からガンバ大阪に入団。Jリーグでの公式戦出場はなく、02年から指導者人生を歩む。佐川急便SC(SAGAWA SHIGA FC)ではJFLで3度の最優秀監督賞を受賞。16年からJFLのMIOびわこ滋賀監督を務めた。