新型コロナウイルスの影響で2月下旬から公式戦中断中のJリーグが、ルヴァン杯の大会方式変更を検討していることが27日、分かった。

ウェブ上で各クラブと公式戦再開に向けた会議を実施。J2松本山雅FCが抜けた15チームが近隣同士で5組に分かれ、勝ち上がり5チームとACL出場3チームの計8チームでトーナメントを戦う方式を提案した。リーグ戦の再開日は6月27日と7月4日で最終調整中だが、最終節は12月20日を提案。再開日程は29日の臨時実行委員会で決定する。

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長く「ナビスコ杯」として行われ、リーグ名を冠した格式高いカップ戦「ルヴァン杯」が、今季は新たな方式で開催される運びになる。リーグ戦の試合数が多いJ2松本を除く15チームを、移動による感染リスクを減らすために近隣同士で5組に配分し、7月15日から総当たりで対戦。プレーオフは実施せず、勝ち上がった1チームとACL出場3チームを加えた8チームでトーナメント戦に臨む案が各クラブに提示された。

同杯の日程変更となれば、東日本大震災があった11年以来2度目。伝統あるカップ戦の歴史を絶やさないためにも、リーグ戦再開後の各クラブの過密日程による負担を最大限考慮した形だ。中断前に1次リーグ1試合を行っていたがやむなく参考試合とし、仕切り直すことになる。今後の新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては中止も選択肢に入れながら、慎重に議論を深めていく。

ルヴァン杯に並行して、リーグ戦の協議も深まってきた。見通しがたたなかった最終節を12月20日で提案した。再開日程は6月27日か7月4日、J1からJ3の無観客での同日開催を軸に最終調整中。村井チェアマンは再開前に4、5週間の全体練習期間を確保する意向を示しているが全体練習を再開させていないクラブがあるため、この日も緊急事態宣言が長引いた首都圏などのクラブからは遅めの再開を望む意見が出た。

再開後の日程編成については地域別の「3ブロック」案を検討していたが、ブロック内での試合数を増やすために「東西2ブロック」の修正案が示された。J1は「北海道コンサドーレ札幌、ベガルタ仙台、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、柏レイソル、FC東京、川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、横浜FC、湘南ベルマーレ」と「清水エスパルス、名古屋グランパス、ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島、サガン鳥栖、大分トリニータ」内で当面のカードを組んでいく方式。J2とJ3も東西2ブロックに分けて対戦。感染拡大を招く「移動時のリスク」軽減が狙いで、感染状況次第だが早ければ8月からブロック外の対戦も組み入れていく。29日の臨時実行委員会で再開日程などを協議する。

◆当初の20年ルヴァン杯大会方式 (1)ACL出場チーム(横浜、神戸、東京)をのぞくJ1の15チームとJ2の1チームが4組に分かれ、各組でホームアンドアウェイ方式のリーグ戦。各組上位2チームと3位チームのうち上位2チームの10チームがプレーオフステージ(PO)に進出する。(2)POはホームアンドアウェイ方式の2試合。勝った5チームがプライムステージ(PS)へ。(3)PSからACL出場チームが参加。トーナメントで優勝を争う。