一般社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)の初代代表理事(チェア)に就任した岡島喜久子氏(62)が13日、オンラインで就任会見を行い、意気込みを語った。

岡島氏は79年の第1回全日本女子選手権(現皇后杯)で優勝したFCジンナンの元選手で、日本代表でもプレー。79年の日本女子サッカー連盟設立にも関わるなど黎明(れいめい)期の女子サッカーを知り、大卒から現在に至るまで米金融大手などで要職を務めた経験があることも評価されて9日に就任が発表されていた。

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岡島チェアは選手としてだけでなく、会社員としても道を究めたエリートだ。中学2年だった72年から日本初の女子サッカークラブ、FCジンナンでプレーし、74年には東京都サッカー協会主催のリーダースクール(現公認D級コーチ養成講習会)を女性として初めて受講。79年には日本女子サッカー連盟設立時の初代理事も担い、83年には日本代表(現なでしこジャパン)として広州女子国際大会にも出場した。

「昔は練習場やコーチを探すのも大変だった」という厳しい時代に女子サッカーの礎を築いた一方、早大卒業後の83年にケミカル銀行(現JPモルガン・チェース銀行)入行。東京支店を皮切りに、89年から海外勤務に。この転勤を機に現役を引退し、91年からは拠点を米国へ。メリルリンチなどの外資系金融機関で経験を積んだ。経済界などに広く人脈を持つ。なでしこの高倉麻子監督はFCジンナンの後輩で、現役時代には代表で共にプレーした。東京オリンピック(五輪)に向け「元チームメートなので頑張ってほしい」とエールを送るなど、現場、経営の両面を知る適任者といえる。【松尾幸之介】

◆WE(ウィー)リーグ 「Women Empowerment League」の略で、女子プロサッカー選手という職業が確立され、リーグを核に、関わる全員(WE)が主人公として活躍する社会を目指す思いを込めた。開幕は21年9月で男女の国内リーグを通じて初の秋春制を採用。ホームアンドアウェー方式による総当たりリーグ戦で、翌年5月ごろ終了する。初年度は6~10チームで開催予定。男子にはない最低年俸(270万円)も設定し、プロA契約選手5人以上を含む同B、C契約選手、計10人以上と契約を締結しなければならない。外国籍選手は5人まで登録可能(試合出場およびベンチ入りも合計5人まで)。