J2アルビレックス新潟は今日8日の第10節、ホームのデンカビッグスワンスタジアムで2位大宮アルディージャ(午後6時開始)と対戦する。リーグ戦再開後から8試合すべてでゴールを守るGK藤田和輝(19)は、出場を重ねるたびにたくましさが増し、本来の力を発揮し始めている。前節2日の栃木戦(0△0)でビックセーブを連発し波に乗る藤田が、2試合連続のクリーンシート(完封)と勝利貢献を誓った。

 

藤田が完封勝利を目指す。7日の練習ではポジショニングやキャッチングを1つ1つ丁寧に確かめながら行った。1試合未消化ながら現在2位の大宮との勝ち点の差は「4」。昇格争いから離されないためにも絶対に負けられない1戦だ。藤田は「DFラインの背後へのケア、ビルドアップにはこれまで通り積極的に関わりたい」と意気込む。

プロ初先発の第2節甲府戦(6月27日、3△3)から8試合連続フル出場を続ける。「昨年は紅白戦や練習試合すら出場できなかった。今は試合にかかわれる幸せを感じている」。前節栃木戦では好セーブで何度もピンチを救い、勝ち点「1」をたぐり寄せた。「大量失点があっても起用し続けてくれる監督のためにも何とか完封したかった。少しは恩返しできたが、もっと成長したい」とさらなる飛躍を誓う。

招集されていたU-19日本代表合宿(1~5日)は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、メンバー選出は励みとなった。「また選ばれるよう、リーグ戦でしっかりしたプレーを見せたい」。今季からGK陣をまとめる石末龍治GKコーチ(56)は「初めて見た時から和輝の全身のパワー、足元の技術の高さには驚いた。成長というより、本来のポテンシャルを表現する場がやっとできたという印象。活躍の場はもっと広がっていく」と期待を寄せる。

チームは、ここ6試合負けていないが、引き分けが2試合続いている。声でDFラインを動かし、守備ブロックに手応えを感じているだけに、無失点で勝利に貢献したい気持ちは強い。「シュートを打たれる前にいいポジションを取り、1歩目からしっかり動きたい。安定したプレーで貢献したい」。力強い言葉で自らを鼓舞した。【小林忠】