日本サッカー協会(JFA)が今月14日から始めた女性指導者が対象の「Associate-Pro(A-pro)ライセンス養成講習会」の初回活動となる国内集中講習会が18日に区切りを迎え、受講者らが感想や今後の意気込みを語った。
オンラインで取材対応し、コースダイレクターを務める小野剛技術委員会副委員長のほか、受講者13人を代表して福田あや氏(早稲田大学女子ア式蹴球部監督)と三上尚子氏(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18監督、アカデミーチーフコーチ)の2人が出席した。
集中講習会は5日間にわたって行われ、小野氏は「ものすごく意欲にあふれた方が集まってくれた。いろんな講義や実践を通じて、彼女たちが女子サッカーだけでなく日本サッカーを盛り上げる人材になってくれるんじゃないかなと思います」と話した。
講習では講義のほか、グループワークなどで受講者が自身の指導論などについて意見交換も交わした。男子日本代表の森保一監督や、なでしこジャパンの高倉麻子監督が登壇して話をする時間も設けられたほか、多角的な指導知識を養うためにサッカーとは違う分野の屋外活動の専門家も招くなど、国際的に活躍できる人材育成を目指したプログラムが実施された。
福田氏は「一番の感想はすごく楽しかった。それに尽きます。アウトプットをする機会も多く、仲間と共に感じた力、指導力を自分の力に変えて次の講習を楽しみにしたい」と振り返った。
同資格はJリーグクラブなどを指導できるS級コーチライセンスを持つ女性指導者が全体のわずか1・6%にとどまっていることに加え、そもそもS級コーチライセンス取得に必要な講習会を受講できる女性が少ないことなどから、S級に準ずるものとして一時的に開設されたもの。
1年以上の指導経験がある公認A級コーチらが対象で、今月から約9か月間の講習を受けてライセンスを得れば、21年9月開幕の女子プロリーグ「WEリーグ」の参入クラブを率いることも可能となる。JFAは定員を10人としていたが、書類審査と個人面談の上、申し込んだ13人全員の受講を決定していた。
取材に応じた福田氏、三上氏はともにS級ライセンスの取得を目指していたといい、三上氏は「まだまだ男性が多いコーチングスタッフの中で、女性も活躍できるという新しい夢、そこに自分もチャレンジしてみたいなということで受講を決めました」と思いを明かした。
同時に未来の女子サッカー界を担っていく女子選手への影響も考えたとし「今、やっている少女たちが夢を持ってそういうところに向かっていく形もできるのではないかと思っています。女子サッカー界に光が見えるような講習会にしていきたい」と意気込んだ。
20-21年A-proライセンス養成講習会の13人の受講者は以下の通り。
小倉咲子(アンジュヴィオレBINGO U-15監督)
河島美絵(福岡J・アンクラス監督)
河本菜穂子(U-15・U-18モンゴル女子代表監督)
金野結子(JFAアカデミー福島女子U--15監督、女子ナショナルトレセンコーチ東海担当)
坂尾美穂(びわこ成蹊スポーツ大学女子サッカー部監督)
田代久美子(山梨学院大学女子サッカー部監督)
轟奈都子(女子ナショナルトレセンコーチ GKサブチーフ)
福田あや(早稲田大学女子ア式蹴球部監督)
藤巻藍子(大和シルフィード監督)
三上尚子(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18監督、アカデミーチーフコーチ)
三輪由衣(帝塚山学院大学女子サッカー部監督、女子ナショナルトレセンコーチ関西担当)
柳井里奈(INAC神戸レオネッサコーチ)
横道玲香(広島経済大学女子サッカー部監督、女子ナショナルトレセンコーチ中国担当チーフ)