J2モンテディオ山形は28日、GK櫛引政敏(27)が左ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂で全治約6カ月の重傷と発表した。23日のファジアーノ岡山戦で攻撃参加した際に負傷。今季19試合出場の守護神離脱に石丸監督は、「かなりの痛手。他のポジションと違い代えが利かない。全員で補っていくしかない」と厳しい表情を見せた。

非常事態でゴールを死守したのがGK佐藤昭大(34)だ。後半戦初戦となった前日27日のホームジュビロ磐田戦で2カ月半ぶりに出場し、完封で7戦ぶり勝利に貢献。石丸監督も「久々にもかかわらず、落ち着いてやってくれた。コーチングや守備の構築で、コミュニケーションを取って守備を落ち着かせてくれた」とたたえた。

J1で24試合、J2で137試合出場のベテランは、練習後の会見でサブGKの難しさを聞かれると毅然(きぜん)と答えた。「まず前提が違っていて、控えと思っていなくて常に試合に出る準備をしている。いつも先発でチームを勝たせるのが仕事と思ってやっている。結果的に控えが多いですが、そこはブレずにやっていた」と強いプロ意識をのぞかせた。コロナ禍で自粛中も「すごく有意義な時間になった。今までアプローチできなかった柔軟やコアな体幹とかに取り組めた」と進化を求め続けた。

中2日で迎える30日のアウェー・ザスパクサツ群馬戦に向け、「なかなか勝てない状況はありましたけど、目の前の1プレー、一瞬に集中することで結果は後からついてくる。ホームでせっかくジュビロをたたいたので、ここから勢いに乗っていきたい」と頼もしく巻き返しを宣言した。【野上伸悟】