アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で1次リーグF組のFC東京は24日、上海申花(中国)と対戦する。コロナ禍で大会が中断して以来、約8カ月ぶりの再開となる。クラブ最高成績の16強を超えるだけでなくタイトル獲得を目指し、カタールでの集中開催となった異例の大会に挑む。

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大会初制覇を目指す東京が、再開後では日本勢で先陣を切り、上海申花と対戦する。20日に現地入り。気温約25度と強い日差しが照りつける中、急ピッチで準備を進めてきた。この日公式会見に出席した長谷川監督は「アジアのサッカーの発展やサッカーの姿勢を見せられる」と大会の開催を前向きにとらえ「Jリーグの代表として、東京のサッカーを展開したい」と中断からの白星発進を誓った。

コロナ感染防止のため、チームは外部との接触を禁じる「バブル」の状態が徹底される。選手たちはドーハの空港に到着した直後にPCR検査を受け、カーテンで間仕切りされた専用バスで宿舎に直行。検査結果が出るまでは各部屋に隔離され、運び込まれる弁当を口にして過ごした。DF森重は「早く環境に慣れることが大事」と、厳戒態勢でも平常心を心がける。

宿舎から散歩などの外出は許されず、移動は練習場や試合会場との往復に限られる。長谷川監督は選手のストレス発散も兼ねて午前、午後と2度の練習を希望したが、かなわなかった。「(練習は)1チーム1回のみということで、なかなか厳しい現状。選手はストレスがたまると思うが、うまくそれぞれ解消するしかない」と、選手の状態を心配した。

対戦する上海申花は先に現地入りし、すでに2試合をこなしている。対する東京は、スタジアムのピッチを踏むのも初めてになる。指揮官は「相手は大会のリズムや雰囲気になれていると思う。こちらは初戦。しっかり入り込めるか」と、出だしで流れをつかむことをポイントにした。厳しい制限をものともせず、異例の大会を勝ち抜く。