ガンバ大阪の次期監督候補に20日、18年に鹿島アントラーズ監督としてACL優勝に導いた元日本代表DFの大岩剛氏(48)が急浮上した。同氏は今秋、U-18日本代表監督に正式に就任予定だが、関係者によると日本協会の許可が下りれば、近く交渉が開始される可能性が高いという。

開幕からJ2降格圏18位に沈むG大阪は、宮本前監督を事実上解任。14日に強化責任者の松波監督が兼務で暫定的に就任したが、6月開幕のACLへ、ACLで指揮経験がある日本人を最上位の条件に候補者を探してきた。

現役時代も主に鹿島で育った大岩氏は、17年5月に鹿島のコーチから監督に内部昇格。18年のACLでは初優勝に導き、同年のアジア年間最優秀監督賞に輝いた。神様と呼ばれるジーコ・テクニカルディレクターの下、常勝軍団の哲学や勝者のメンタリティーを学んできた。理論と情熱を併せ持った指導者だ。

現在のG大阪は鹿島と同様、ブラジル人中心のチーム編成になっており、当時鹿島で主力だったDF昌子が在籍するなど、大岩氏を受け入れやすい環境にある。代表級が多くそろうタレント軍団ながら、土台がぐらつき始めたG大阪にとっては、鹿島のDNA導入はカンフル剤にもなる。

G大阪関係者によると、ここでの人選の失敗はJ2降格に直結するだけに、慎重に作業を進めているという。その中で大岩氏は限りなく理想に近い人物で、今後の行方が注目される。

◆大岩剛(おおいわ・ごう)1972年(昭47)6月23日、静岡県生まれ。清水商、筑波大、名古屋、磐田、鹿島にDFで在籍、J1通算386試合10得点。名古屋でベンゲル監督の指導を受け、鹿島ではJ初の3連覇も経験。日本代表は3試合無得点。鹿島監督としてJ1通算50勝20分け20敗の実績があり、19年限りで退任。180センチ、75キロ。