<J1:川崎F3-2名古屋>◇第1ステージ第3節◇12日◇等々力
川崎FのFW大久保嘉人(33)が、広島佐藤のJ1歴代最多に並ぶ通算158点目を決めた。1-2の後半30分、MF中村のクロスを頭で押し込んだ。2試合連続ゴールで3-2の勝利に導いた。
FW大久保のJ1通算最多タイのゴールが等々力劇場の幕開けだった。1-2の後半30分。MF中村からのクロスが上がる瞬間、大久保はスルリと相手DFの前に入り、ファーサイドに突進した。頭でドンピシャリと合わせて同点弾。名古屋の執拗な守備に、それまで前を向く機会はほとんどなかったが、その一瞬は大久保の駆け引きが上回った。
大久保は「あの場所は狙っていた。最初からやると読まれるから、勝負の時に入ろうと」としてやったり。シュート2本で1点を決める勝負強さに、名古屋FW永井も「少ないチャンスで得点する場所に入り込むのはさすがだと思った」と、その嗅覚に脱帽した。
FW佐藤と並ぶJ1通算158得点。佐藤には6日の名古屋戦で先に新記録を樹立されたが「何とも思わない。158は寿人さんが先に行ってと思っていたから。自分の目標は得点王」と動じなかった。シーズン前に掲げた「1試合1得点」を実行し、2試合連続得点。9分後にMF中村の勝ち越しゴールが飛び出し、7年ぶりに単独首位に立った。
家族に届ける得点でもあった。次男緑二くん(6)が6日夜に高熱を出し、肺炎で入院した。病院には妻莉瑛さん(33)が付き添い、大久保は子育てにも奮闘中。三男橙利くん(3)が夜中に急性中耳炎で泣きだすなど「まじで大変」と苦笑するも、ピッチの仕事はきっちりとまっとうした。
病院は面会時間が午後8時までで、緑二くんは前半だけは莉瑛さんのパソコンで試合の映像を見ていたという。大久保は「できれば前半に取りたかった」と本音を漏らした。歴代最多得点に並んだが「通過点だし何とも思わない」と話す。悲願の初タイトル獲得のため、1点ずつ得点を重ねていく。【岩田千代巳】
▼J1通算最多得点 川崎FのFW大久保嘉人(33)が名古屋戦で今季2点目を決めてJ1通算得点を158点とし、広島FW佐藤と並びJ1歴代最多となった。FW中山雅史(現JFLアスルクラロ沼津)の157点を抜いた。佐藤は通算出場378試合目で中山の記録を抜いたが、大久保はそれより速い341試合目。得点ペースでは大久保が佐藤を上回っている。