鹿島柳沢コーチ1年ぶり仙台へ サポ500人集結

試合終了直後、仙台GK石川慧(左)と握手を交わす鹿島の柳沢コーチ(右)

 ヤナさんが戻ってきた! 仙台は13日、Jサテライトリーグで鹿島と対戦し、3-0で快勝した。この日、14年に仙台で現役引退した元日本代表FW柳沢敦氏(38)が、鹿島のコーチとして約1年ぶりに仙台に訪れた。ベガルタサポーターから愛された柳沢を一目見ようと? サテライト戦では異例の500人の観衆が詰め掛けた。

 グラウンドを出ると、大勢のサポーターに囲まれた柳沢コーチは、優しい笑顔を見せながら、サインや握手に応じた。引退し1年が過ぎたが、その人気は変わらない。仙台では11年から4年間プレーし、主将も務めた。11年の東日本大震災の時は自身も被災しながら「役に立てたら」とボランティア活動にも率先して携わってきた。

 コーチ就任2年目の今季、初めて帯同コーチとして仙台に舞い戻った。「久々に仙台の街や人に会えてうれしい」という思い入れの深い土地。震災から節目の5年を迎えたことにも触れ「3月11日付近にこうして戻ってくることに意味があると感じる」とも話した。前日12日のリーグ戦では仙台が勝利を収め「残念ながら鹿島は負けてしまった」と、悔しそうな表情を見せたが「互いが勝利に向かって行く良いゲームが出来た。良い試合をし、いいものを見せられたと思う」と両チームをたたえた。

 指導者として、仙台OBとして今後も「遠くからでも仙台を応援していきますよ」と言い残して泉サッカー場を後にした。【成田光季】