<明治安田生命J1:川崎F3-1神戸>◇第1ステージ第12節◇14日◇等々力
川崎FがFW大久保嘉人(33)の2ゴールで神戸に3-1と逆転勝ちし、1試合消化の少ない浦和を抜いて暫定首位に立った。J1通算350試合出場の大久保は1点を追う後半12分にPKで同点とし、同18分には鮮やかな勝ち越しのループシュートを決めた。今季9得点で得点ランクトップに並び、自身が持つJ1通算得点記録を165に更新した。
大久保が川崎Fを救った。序盤から圧倒しながらも前半終了間際にFKから失点する嫌な流れを2発で断ち切った。後半12分、FW小林が倒されて得たPKを、GKの執拗(しつよう)なフェイントに惑わされることなく冷静に左隅に決めた。同18分にはMF登里のパスに反応。DF裏に抜け出し、GKが前に出た隙を逃さずループシュートでネットを揺らした。強いメンタルと熟練した技が凝縮された2発だった。
今季12試合で9得点と「速すぎるぐらい」のペースで得点を重ねるが、「今年は12戦とも万全じゃない中で点が取れているのも大きい」と言う。満身創痍(そうい)といっていい状態で戦っている。2月中旬の合宿では右膝と左かかとの痛みが出た。自分のスパイクが履けず、チームメートから大きいサイズのスパイクを借りるほどだった。3月19日の甲府戦では左太もも裏を痛め、4月16日の東京戦では左膝裏を痛めて負傷退場。今月に入って左足裏が内出血し「踏ん張りがきかない」とこぼす。
それでも「休むことが嫌い。できる痛みだったらやる」と強行出場を続ける。「どこも痛くない選手なんていない」「痛みにどこまで耐えられるか」が口癖。「無理に出場して結果が出せなかったら批判をくらうのは自分」と自らにプレッシャーをかけながら、全試合出場を続けている。
J1通算350試合出場の節目の試合を勝利に導き、暫定首位に立った。だが、満足することはない。「今日は5点は取れた。サイドからのクロスが合えばもっと取れる。勝利を喜ぶのは今日まで」と気を引き締めていた。【岩田千代巳】
▼J1通算350試合出場 川崎FのFW大久保嘉人が14日の神戸戦(等々力)で達成。J1史上45人目。初出場はC大阪時代の01年3月17日浦和戦。
▼大久保の得点ペース 大久保が今季2度目の1試合2ゴール。これで今季12戦9発となり、年間26発ペース。自己最多26ゴールを決めて得点王を獲得した13年と同じペースでゴールを量産中だ。自身8度目のJ1年間2桁得点にもあと1点。過去のシーズン10得点到達時のチーム試合数は03年18試合、04年20試合、07年19試合、08年28試合、13年14試合、14年15試合、15年15試合。次節21日の新潟戦でもゴールを決めてチーム13試合目での2桁得点達成となれば自己最速到達となる。