J2残留を決めた(12日、山口戦ドロー)ばかりの山形が13日、石崎信弘監督(58)が今季限りで退任すると発表した。今季最終戦となる20日のホーム北九州戦まで指揮を執る。JFLのNEC山形時代の95年から4年間監督を務め、14年から再び監督に就任。プレーオフに勝ってJ1に昇格するも、翌15年は最下位となり1年で降格した。J1再昇格を掲げた今季は10勝14分け17敗の16位と低迷していた。シーズン終了後、チームは後任監督人事に着手する。
退任が発表された同日夕方。山形市内で行われたシーズンシート会員など約200人が参加したサポーターイベントで、石崎監督は淡々とあいさつした。「今シーズンはJ1昇格を目標に掲げながら勝てなくて、昨日J2残留が決まって皆様に申し訳なく思っております」と言うと、深々と頭を下げた。J1昇格と降格、天皇杯準V、J2残留争いまで経験した激動の石崎政権は3年で終わりを告げた。
1年でのJ1再復帰を掲げた今季は開幕からつまずいた。「いい形でスタートが切れなかった。ゲーム内容は悲観することはなかったが、結果がついてこないとチームが回っていかない。難しさがあった」。開幕8戦白星なしの低空飛行に始まり、7勝7分け7敗で折り返した後半戦開幕からは10戦勝利なしと再び泥沼にはまった。残り1戦での残留決定は当初の目標から大きくかけ離れていた。
それでもイベントでサポーターから温かい言葉が飛んだのは、人情味あふれる石崎監督だったからこそ。見学に訪れるサポーターのために非公開練習を行わず、1人1人と丁寧に会話しサインをしたためた。選手からは愛情を持って「石さん」と呼ばれていた。GK山岸範宏(38)は「うれしさも悔しさも経験させていただいた。感謝している」と言葉を残した。
95年以来2度目の就任でクラブとしての成長を感じた。「練習場は転々として、更衣室もなかった。チーム、フロントが努力した結果」。3年間での思い出の試合は、J1昇格後のホーム開幕戦(15年3月22日)、1-0で勝った川崎F戦を挙げた。「川崎Fでも監督をやっていたし、思い出深い」。20日の北九州戦が最後の指揮となる。「自分たちがやりたかったサッカーを披露して最後、勝利を飾りたい」。己の信じた「石崎プレスサッカー」で最後を締めくくる。
<2016年山形、激動の1年>
▼15年12月1日 J2降格を引き金に、高橋前社長が実質的解任され森谷新社長が就任。
▼16年2月24日 J2京都からFW大黒を期限付き移籍で獲得。攻撃陣に厚み。
▼同28日 北九州との開幕戦に敗れ以後8戦勝ちなし。
▼4月17日 システムを4バックに変更し、札幌と引き分け。以後8戦連続勝ち点獲得。
▼7月6日 地震で延期になっていた熊本戦に勝ち、前半戦7勝7分け7敗で終了。
▼同10日 町田に敗れ、以後10戦連続勝利なし。
▼11月1日 所属選手が逮捕。
▼同6日 長崎戦の後半ロスタイムに高卒新人FW永藤が得点を決め、残留の道を広げる。
▼同12日 山口に引き分け残り1試合で残留決定。
▼同13日 石崎監督の退任発表。