東京Vに柴犬たまの新加入で“和犬ダービー”!?

東京V新体制発表会見に出席した、柴犬たまのの写真を抱いた村岡和寿さんとヴェルディ君(撮影・村上幸将)

 J2東京Vに、なんと犬が新加入選手として加入するサプライズがあった。14日に東京・京王プラザホテルで行われた新体制発表会見で、メスの柴犬たまの(10)が加入すると発表された。

 東京Vは2016年から、サポーターが東京Vの選手になることができる商品「VERS」を、25万円で販売している。51~100番の中から好きな番号を自分の背番号として登録でき、背番号付ユニホームの先行入手に加え、調印式や新体制発表、選手紹介、練習、食堂での食事など、選手の毎日を疑似体験できる。たまのは、2017年のVERSにメンバーとして今季から新加入した。

 たまのは、東京Vを支援するサポーティングパートナーに名を連ねる、東京・立川市のレストランバー「STOLAS(ストラス)」の看板犬&店長だ。東京Vの熱烈なサポーターでもあるオーナーバーテンダー村岡和寿さんに連れられ、生後3カ月から東京Vのクラブハウスを訪れ、サポーター犬として育てられてきた。名前は、元東京Vに所属した玉乃淳さん(32=現サッカー解説者)から命名された。

 この日の会見は会場の都合で入場できず、飼い主の村岡さんがユニホームを着せた、たまのの写真を手に代理で出席した。村岡さんは「日本初…もしかすると世界初の、犬の選手として契約できたことで、とても喜びを感じています」とあいさつした。背番号は99番に決まったが、理由について、村岡さんは「東京Vで玉乃選手が現役時代に着けていた背番号33に、勝ち点3をかけて99にしました」と説明した。

 「VERS」加入に必要な25万円を捻出するために、村岡さんは1杯780円のドリンクの値段を値引きするサービスを7回受けられるドリンクチケットを、1口5000円で販売する形でのクラウドファンディングで資金を集めた。

 村岡さん 去年の成績が良くなかった(18位)東京Vのサポートをもっとしたい。お金が足りないと思ったので、お店の常連のお客さまに相談したところ、みんなでお金を集めればいけるんじゃないかということで応募をかけました。

 クラウドファンディングには、東京Vサポーターが10人以上、鹿島、清水、J2の岐阜、大分のサポーターも含め、約50人が賛同し、出資したという。村岡さんは「東京Vサポーターの皆さんはもちろんなんですけども、全国の犬好き、柴犬好きの皆さんにも応援してもらえるよう、今年1年頑張ります」と、たまのの代わりに抱負を語った。

 J2には、秋田犬のジェフィとユニティをチームキャラクターにする千葉がいる。たまのがVERSの一員としてホーム味の素スタジアムに登場すれば“和犬ダービー”という新たなダービーが勃発する可能性が出てきた。Jリーグは盲導犬、聴導犬を除くペットを連れての観戦は禁止しているが、クラブ側はたまのを新戦力として、ホーム戦の際にスタジアムに入ることが出来るよう検討を進める構えだ。

 クラブキャラクターのヴェルディ君は、たまのの新加入に「若干、ジェラシーを感じ始めている」(関係者)ものの、共闘には基本、前向きなもようで、千葉戦でのジェフィとユニティとの“和犬ダービー”実現に期待がかかる。【村上幸将】