札幌、新戦力躍動の初実戦 四方田監督「有意義」

2年連続で“チーム1号”を決めた札幌FW都倉(左から3人目)。右端はMF兵藤(撮影・中島宙恵)

 札幌は沖縄1次合宿6日目の21日、沖縄・金武町陸上競技場で、地元の沖縄国際大と今季初の練習試合(30分×2)を行い、6-1で逆転勝ちした。前半7分に先制を許したものの、同17分、DF田中雄大(28)のクロスにFW都倉賢(30)が頭を合わせて同点。同19分にはMF兵藤慎剛(31)のヘディングで勝ち越したほか、後半出場したFW金園英学(28)が2得点と移籍組が猛アピールした。

 一瞬流れた嫌なムードを、移籍組が華麗に一掃した。0-1で迎えた前半17分、神戸から新加入のDF田中が左サイドを駆け上がる。「前に前にと言われていたので、必死に走った。(ボールを持っていた)内村さんを追い越したところで、いいパスが来た」。ゴール前にいたFW都倉へ、左のスペシャリストが絶妙クロス。「弱いクロスで、J相手なら決まっていない」と本人は反省も、豪快に頭で合わせた都倉は「アップ中に上げてもらっていたセンタリングと、同じ軌道でボールが来た」。2年連続“チーム1号”となった都倉のゴールを、お膳立てした。

 2分後には、横浜から加入し、ダブルボランチの一角を担ったMF兵藤が、ヘディングを決め勝ち越した。「前を向いたらスペースがあったので、触るだけで良かった」とFW内村のアシストに感謝した兵藤は「相手の嫌がる場所に入っていくのは、自分が得意としているところ」とニンマリ。身長172センチと小柄なだけに「ヘディングなんて、久しく経験ないです」と苦笑いだ。

 後半には、仙台から移籍のFW金園が2連続ゴール。試合前、別メニューで欠場したMF稲本に「オレ、やりますよ」と豪語した通りの結果を残し「緊張して1本目の試合はほとんど頭に残っていないけど、みんなこういうプレーするんやって頭には入ったかな」。初実戦を終え、ホッとした表情を見せた。

 四方田修平監督(43)は「有意義な練習試合だった。試合をやって初めて確認出来ることもあって、練習よりイメージが把握できた」と話す。兵藤は「コンビネーションやチームの決まり事を積み重ねていけたら」。融合は、まだ始まったばかりだ。【中島宙恵】

 ◆札幌のシーズン初実戦 96年クラブ初年度の横浜サテライト1●2を皮切りに、通算10勝7分け5敗となった。ちなみに、そのうちJクラブ相手は1勝2分け3敗(07年2△2川崎F、09年1○0大宮、10年1●2柏、11年1●4大宮、15年1△1川崎F、16年0●1東京V)。