C大阪清武には焦らせない 3・23W杯予選に照準

練習後にサポーターにサインをするC大阪MF清武(撮影・益子浩一)

 C大阪のMF清武弘嗣(27)が、2段階方式で最高の状態に仕上げる。9日は合宿地の宮崎市内で調整。セビリアから加入してまだ合流4日目のため、尹晶煥監督(43)は25日のJ1開幕磐田戦(ヤンマー)まで焦らず、徐々に出場時間を増やす方針を示した。代表では3月23日にW杯最終予選の大事なUAE戦(敵地)を控える。開幕戦からUAE戦へと、ギアをトップに上げていく計画だ。

 開幕から3月の代表戦へ。清武の復活プロジェクトが明確になった。寒風が吹く合宿地宮崎で走り込み中心のメニューをこなしたこの日、尹晶煥監督は合流したばかりの清武の調整法について明かした。「90分フルで試したい思いはあるが、まだ無理をさせて90分間走らせる必要はない。開幕までに最大限、体を作らせればいい」。あくまでも25日のJ1開幕磐田戦までに、仕上げる方針を示した。

 まず最初の調整ポイントが開幕戦。その次は、1カ月後の3月23日に敵地で戦うW杯最終予選UAE戦になる。日本が入るB組は勝ち点1差に4カ国がひしめく大混戦。2位の日本は4位UAEと勝ち点1差。引き分け以下なら、再びW杯出場が崖っぷちになる。清武は「まずは今年の初戦。絶対にW杯に行けるように、そこ(UAE戦)に照準を合わせたい」とキッパリ。J復帰を決めた際、ハリルホジッチ監督からは「Jでしっかり結果を出して(最終予選に)準備してほしい」と伝えられたという。

 今年に入って、セビリアでは公式戦出場が1度もなかった。昨年末も11月30日と、12月21日のスペイン国王杯の格下相手に先発した以外は、ベンチ入りしても出番は与えられず。試合に飢え続け、欧州組のFW岡崎や乾、MF香川、DF内田らに悩みを打ち明けたという。「自分の良さは何だったんだろうかと、考える日々があった。サッカーの楽しさを思い出したかった。日本からW杯を目指す。そこに後悔はないです」。C大阪でよみがえり、日本の中心として18年W杯ロシア大会へ。清武の復活ロードが始まる。【益子浩一】