札幌都倉弾で連敗止めた 1603日ぶりJ1で勝ち点

後半28分、ヘディングシュートで同点弾を決める札幌FW都倉(右)(撮影・山崎賢人)

<明治安田生命J1:札幌1-1C大阪>◇第3節◇11日◇札幌ド

 北海道コンサドーレ札幌はホーム開幕戦で、セレッソ大阪相手に1-1で引き分けた。1点を追う後半28分、FW内村圭宏(32)の浮き球クロスに、FW都倉賢(30)が頭で合わせて追いついた。2年連続チーム1号となった都倉のゴールで連敗脱出に成功し、今季3試合目で待望の勝ち点1をゲット。J1では12年10月20日鹿島戦以来、1603日ぶりとなる勝ち点を挙げて、次戦へ弾みをつけた。

 その瞬間、地響きのようなうなりとともに、本拠地を埋めた赤黒の波が大きく揺れた。0-1で迎えた後半28分、FW2人のあうんの呼吸が、欲しくて欲しくてたまらなかった今季チーム初得点を生み出した。

 途中出場の内村が、代わってわずか10分足らずで攻撃の流れをガラリと変えた。左サイドにドリブルで持ち込み、ふわりと浮かせたクロスをゴール前へ放り込む。少しだけ右へ切り返し、動きにアクセントを付けたのが奏功した。「クロスにしても、シュートにしても、ワンテンポ外して入れていれば、もっとチャンスがものになると思っていた」。単調な攻撃ばかりでは、ゴールは遠い。無得点に終わっていた過去の2試合を振り返り、ベテランストライカーは冷静だった。

 2年連続チーム1号を決め、エースの面目を保った都倉は「去年からずっとやっていて、柔らかいボールが来ると思っていた」とニヤリ。「後半になって押し込む時間が増え、セレッソの足も止まっていた。追い付かないといけない場面で追い付き、自信になった」。積み上げてきた仲間への信頼が、同点劇につながった。

 昨年の大けがからの復活を目指していたMF稲本が、再び右膝を手術したことが、この日、発表された。沖縄、熊本と1カ月半にわたる長期合宿で同部屋だった都倉は「ずっと練習前の面倒くさい準備を怠らない姿を見てきた。復帰間近で、本人も楽しみにしていたのに。本当につらい」と表情を曇らせ「イナさんが戻って来る時に、いい順位にいられるようにしたい」。負けたくない理由が、もう1つ出来た。

 昨季は14勝3分け1敗と、抜群の勝率を誇った札幌ドームで、連敗脱出に成功した。次は初勝利へ。次節、負けない本拠地で、一昨年の年間王者、サンフレッチェ広島を迎え撃つ。【中島宙恵】