山形4戦負けなし 本拠開幕勝利逃すも今季初無失点

試合後、山形GK児玉(右)はセンターバック菅沼を鼓舞する

<明治安田生命J2:山形0-0讃岐>◇第4節◇19日◇NDスタ

 モンテディオ山形は0-0でカマタマーレ讃岐と引き分け、ホーム開幕戦白星を逃した。3バック変更の相手システムに対応しきれず、ゴール前で細かいミスを連発。シュート総数はわずか5本にとどまり、決定力を欠いた。ホーム初戦を白星で飾ることはできなかったが、守備ではGK児玉剛(29)が好セーブを見せるなど、今季初の無失点試合で、01年シーズン以来2度目になる開幕4戦負けなしのチームタイ記録をマークした。

 試合終了の笛に、入場9828人の「モンテ・ブルー」に染まったホームNDソフトスタジアム山形が一瞬、静まり返った。攻めて終わった選手たちに笑顔はなかった。ホーム初采配を白星で飾れなかった木山隆之監督(45)は「勝ち点3を取りたかった。でも、失点する危険は今までの試合で一番多かったかもしれない。(失点)0でいけたのは良かった」と振り返った。

 1トップ2シャドーの攻撃陣が相手3バックにそれぞれマークされ、それぞれシュート1本にとどまった。前半序盤に左FW荒堀謙次(28)と1トップ阪野豊史(26)が相手GKと1対1でシュートを打ったが阻まれた。木山監督は「パスを含めて技術的なところなのでレベルアップするしかない」と奮起を求めた。

 ホームで攻撃陣が精彩を欠く中、今季、木山監督と一緒に愛媛から完全移籍した児玉が「新・山の神」に名乗りを上げた。後半15分すぎは相手FWと1対1になった左からのシュートを右足でクリア。同39分すぎには右からのロングシュートを横っ跳びで阻んだ。大阪出身の児玉は「勝ち切れなかった。もっとレベルアップしていかなきゃアカン」と反省。さらに「無失点を考えるのか、14本もシュートを打たれたことを考えるのか。ポジティブに捉えたい」と前向きに話した。

 勝つことはできなかったが、開幕4戦無敗のチーム記録に並んだ。次節26日もホームで福岡を迎え撃つ。コーチングも期待される児玉は「無失点を続けていって山形のみなさんに認めてもらえるように練習したい」と開幕5戦無敗のチーム記録達成を完封勝利で飾るつもりだ。【佐々木雄高】